今日の俳句、こうのこうき
2017年5月
31日(水)
夏の月皮肉の種は腐るほど
そんなこんなんで、5月もおわり。
なつのつき ひにくのたねは くさるほど季語=夏の月 ※夜も暑い。きょうもありがとうございます。
30日(火)
十薬にとくに遠慮はいりませぬ
またの名を、ドクダミ。 こっちの方が一般的ですかね。
じゅうやくに とくにえんりょは いりませぬ季語=十薬 ※古くは薬効の多い草として重宝させてきました。 ※白い十字の花(白い部分が苞で、中心の黄色い突起が花)。 ※印象的だけどほぼ雑草。きょうもありがとうございます。
29日(月)
枇杷を食み枇杷の気持ちで種を捨つ
不釣り合いなほどの大きな種が二つ三つ。
びわをはみ びわのきもちで たねをすつ季語=枇杷 ※ビワはバラ科。とても地味な花で、寒い時期に咲く。 ※オレンジ色の卵型の実。大きな種には光沢がある。 ※花から実まで約半年。きょうもありがとうございます。
28日(日)
立葵二言三言他人事
大型の花で背も高い。いかにも夏らしい花。
たちあおい ふたことみこと たにんごと季語=立葵 ※アオイ科の多年草で中国原産。 ※直立した茎は高さ2メートルほどにもなる。 ※アサガオに似た大型の花は、直立した茎の下から順に咲き上がると言われています。実際はそうでもない。 ※見た目は漢詩、でも俳句。きょうもありがとうございます。
27日(土)
夏の雲ペットボトルを丸めおり
グシャグシャと潰すときの音、わりと好きかも。
なつのくも ぺっとぼとるを まるめおり季語=夏の雲 ※晴れてよかった。きょうもありがとうございます。
26日(金)
つけ足して誰彼となく紫陽花は
切り花ですら土に挿せば根ずく、なんとも生命力の強い花木です。
つけたして だれかれとなく あじさいは季語=紫陽花 ※日本原産。そのじつ野生種はいまだ未発見なのだとか。 ※世界中で園芸種がつくられる人気の花木です。 ※咲きはじめましたね。きょうもありがとうございます。
25日(木)
悪びれず定家葛の花を摘む
毎年咲きはじめは、名前が思い出せない。
わるびれず ていかかずらの はなをつむ季語=定家葛の花 ※常緑のつる性で、生け垣などに用いられます。 ※5弁の花びらは外側に捻じれ、小さい風車のよう。 ※スイカズラと同じく、白い花は数日でクリーム色になる。 ※甘い香り。きょうもありがとうございます。
24日(水)
ない交ぜの浮世のごとく焼酎は
高いものは高いが、ぐいっと庶民的なイメージ。
ないまぜの うきよのごとく しょうちゅうは季語=焼酎 ※日本の蒸留酒。アルコール度数が高く安価。 ※かつては暑気払いのための酒であったという。 ※一年中飲んでも夏の季語。きょうもありがとうございます。
23日(火)
義憤とてはや持て余す青あらし
建物が軋むほどの強い風が吹いていた。
ぎふんとて はやもてあます あおあらし季語=青嵐 ※青葉のころに吹く強めの南風のこと。 ※あおいあらしです。きょうもありがとうございます。
22日(月)
夏めくや猫おもむろに裏返り
春の花が終わり、アジサイのつぼみが目立ちはじめた。
なつめくや ねこおもむろに うらがえり季語=夏めく ※夏らしくなること。 ※何を持って夏らしいと感じるかは、人それぞれ。 ※どこを見ても夏服。きょうもありがとうございます。
21日(日)
今日からは物分かりよき夏布団
からだがついて行けないね。
きょうからは ものわかりよき なつぶとん季語=夏布団 ※綿の薄い夏掛け用のふとん。涼しい仕立てになっている。 ※早くも30℃超え? きょうもありがとうございます。
20日(土)
大福の豆の浮き出る緑夜かな
コンビニの豆大福。レジ横のついで買いを狙ったやつ。
だいふくの まめのうきでる りょくやかな季語=緑夜 ※青葉の美しい夜のこと。 ※角川の「俳句歳時記 夏」に載っている季語。それ以外の季語集ではほぼ見ない。 ※悩ましい。きょうもありがとうございます。
19日(金)
手のひらに人人人やカラー咲く
南アフリカ原産で、本来は水辺を好む花だという。
てのひらに ひとひとひとや からーさく季語=カラー ※真っ白な花のようなものは水芭蕉などと同じ苞(ほう)。 ※大きな苞が包むものが花穂。一つひとつの花はとても小さい。 ※最近は鉢植えでもよく見る。きょうもありがとうございます。
18日(木)
懐かしむ鼻の奥よりクレマチス
俳句では、鉄線花または鉄線と呼ぶことが多い。
なつかしむ はなのおくより くれまちす季語=クレマチス ※鉄線花は正確には原種のひとつ。 ※中国原産の鉄線花と日本原産の風車の改良種がクレマチス。 ※種類が非常に多く、その多くはヨーロッパで改良されたもの。 ※茎が針金のように固い。きょうもありがとうございます。
17日(水)
徒に世間を見据え葱坊主
観賞用ではなく、その多くは採種用です。
いたずらに せけんをみすえ ねぎぼうず季語=葱坊主 ※ネギの花のこと。4~5月ごろに咲きます。 ※花の見た目が坊主頭のようなので、この名があります。 ※春の季語。きょうもありがとうございます。
16日(火)
はじかれて気を揉みはじめ棕櫚の花
人気の庭木を集めた図鑑には、残念ながら載ってない。
はじかれて きをもみはじめ しゅろのはな季語=棕櫚の花 ※枝もなく真っ直ぐに伸びた幹の頂に、扇のような葉と奇妙な花を付けます。カタチのくずれた数の子みたいな花です(笑)。 ※南国的な常緑樹だけれども、今どきではないかも。 ※じつは九州原産。きょうもありがとうございます。
15日(月)
誇らしくがんじがらめのレタスかな
緩やかに葉が巻かれているものが、美味しいもの!?
ほこらしく がんじがらめの れたすかな季語=レタス ※レタスのよく育つ気温は20度前後だそうです。 ※気温に合わせて産地を変え、全国で栽培されています。 ※キャベツとは逆だったのね。きょうもありがとうございます。
14日(日)
仲の良き夫婦の似たる姫女苑
世の中、そんなものらしい。
なかのよき ふうふのにたる ひめじょおん季語=姫女苑 ※いたるところに自生する雑草のたぐい。 ※繁殖力が強いためか、貧乏草といううれしくない別名も。 ※夏のヒメジョオンは白い花、春のハルジオンはほんのり紫色。 ※どちらもキク科でよく似ている。専門的な見分け方があるようだが、とりあえず色と咲く時期で判断している。 ※5月はどちらも咲く。きょうもありがとうございます。
13日(土)
横合いに流されてゆく夏の雨
ひと月後には梅雨だな~、 と、気づかされるこの頃の雨。
よこあいに ながされてゆく なつのあめ季語=夏の雨 ※今日はよく降ったね。きょうもありがとうございます。
12日(金)
ぬるま湯に汚れしままの薄暑かな
寒暖差が激しいのも、5月らしさかね。
ぬるまゆに よごれしままの はくしょかな季語=薄暑 ※梅雨入り前の暑さのこと。まさに初夏。 ※「うっすら暑い」ではなく、夏が近づくという意味。 ※薄暮、薄明、肉薄と同じ使われ方です。 ※明日は雨とか。きょうもありがとうございます。
11日(木)
鵜呑みする魚のごとくえごの花
大きく開けば、星のようなカタチをしています。
うのみする さかなのごとく えごのはな季語=えごの花 ※長い花柄の先に真っ白な花をぶら下げる。 ※満開ともなれば無数の花が枝先にぶら下がる。 ※すでに夏日の日。きょうもありがとうございます。
10日(水)
かたばみの花より生まれかたばみに
クローバーの花かと思うほどに、 その葉っぱがクローバーに似ています。
かたばみの はなよりうまれ かたばみに季語=酢漿草(かたばみ) ※背の低い黄色い花で、どこにでも生えています。 ※間違うと思う。きょうもありがとうございます。
9日(火)
太陽の空気の漏れてあやめ咲く
いくつか咲いているが、今見た限りでは、 ちょうど青がちらりと見える程度のつぼみだったよ。
たいようの くうきのもれて あやめさく季語=あやめ ※アヤメは山野に咲くもの。 ※「六日の菖蒲(あやめ)」ということわざがあります。「時期を逸したもの」という意味で使われます。六日は5月6日のことで、端午の節句の翌日をさす。 ※昔はハナショウブのこともカキツバタのこともまとめてアヤメと呼んだそうだ。 ※じつにまぎらわしい。きょうもありがとうございます。
8日(月)
目の端にいつしか溢る紫蘭かな
いつ咲いた? そんなの・・・!
めのはしに いつしかあふる しらんかな季語=紫蘭 ※名前の通り、紫色のラン科の花。とにかく群生する。 ※庭などにも植えられるが、湿った場所などに自生する。 ※おいおい。きょうもありがとうございます。
7日(日)
矢車草祈り通らばあけすけに
見た目はよいが、草のような扱いの花。正式には矢車菊という。
やぐるまそう いのりとおらば あけすけに季語=矢車草 ※キクに似た青紫の花を付ける。他に紅もあれば白もある。 ※鯉のぼりの矢車に花のカタチが似ている。 ※桃色もある。きょうもありがとうございます。
6日(土)
抜け道のあるかのごとく著莪の花
うす紫の花びらは蝶の羽の模様に似ている。
ぬけみちの あるかのごとく しゃがのはな季語=著莪の花 ※アヤメ科の多年草で常緑。つまり同じ場所に来年も花咲く。 ※日当たりの悪い場所でも気にせず群生しています。 ※わりと点々と。きょうもありがとうございます。
5日(金)
熱心に歩きまわれば子供の日
油断したら日焼けしてしまった! 鼻、真っ赤!
ねっしんに あるきまわれば こどものひ季語=こどもの日 ※びっくりな夏日でした。きょうもありがとうございます。
4日(木)
斜に構えつつじは白に紅や黄に
今はちょうど、華やかな花の少ない時期、なのかもしれないですね。
しゃにかまえ つつじはしろに あかやきに季語=躑躅 ※植物園のツツジの花は、ほとんど終わりでした。 ※バラもアジサイもこれから。 ※みどりの日。きょうもありがとうございます。
3日(水)
純粋を保つ術なく鈴蘭は
ゴールデンウィークの休日の名称、すべて正しく言えます?
じゅんすいを たもつすべなく すずらんは季語=鈴蘭 ※別名は君影草。葉よりも低い位置に花を付けるから。 ※海外では聖母マリアの花。天使や乙女の象徴でもある。 ※憲法記念日。きょうもありがとうございます。
2日(火)
DMのたまる八十八夜かな
夏も近づく、バーゲンセール。
でぃーえむのたまる はちじゅうはちやかな季語=八十八夜 ※立春から数えて88日目のこと。 ※昔から畑の種まきなどをはじめる目安とされている。 ※茶摘みの時期。きょうもありがとうございます。
1日(月)
人望という名にかえて葉桜に
この頃のサクラは、純粋に明るい。
じんぼうというなにかえて はざくらに季語=葉桜 ※花の終わったあとの若葉の頃で、夏の季語。 ※きらきら木漏れ日。きょうもありがとうございます。