今日の俳句、こうのこうき
2017年6月
30日(金)
夏祓え自問自答のわるさかな
いいことを言おう、ふさわしいことを書こう、 と思うと、途端に何も浮かばなくなる(笑)。 ということで!明日でこの「今日の俳句」も、丸10年です! 10年間、本当にありがとうございました!
なつはらえ じもんじとうの わるさかな季語=夏祓え ※夏越の祓(なごしのはらえ)、茅の輪(ちのわ)として知られています。 ※ご近所の大きな神社なら、今も夏越の祓の神事を行っていると思いますよ。 ※大晦日は年越し。上半期の最後の日は夏越しです。 ※きょうもありがとうございます。明日からもまたよろしく!
29日(木)
さみしさを摘みてあふれんさくらんぼ
サクラの実です。花を愛でるサクラではありません。
さみしさを つみてあふれん さくらんぼ季語=さくらんぼ ※市場に出回っているのは、一般的には西洋実桜の実です。 ※花を愛でるサクラは実がまずい。 ※実を食べるサクラは花が地味すぎる。 ※一長一短、バラ科です。きょうもありがとうございます。
28日(水)
疲れたら疲れた分の五月闇
月が出ていないことに気づかない。ある意味の都会らしさ。
つかれたら つかれたぶんの さつきやみ季語=五月闇 ※梅雨時は雲に覆われ昼でも暗さを感じます。 ※夜は夜で月が隠れてしまいます。 ※昼にも夜にも使える融通のきく季語です。 ※今年は閏月です。きょうもありがとうございます。
27日(火)
万緑にもつれて明日の鼻の先
人間、忙しすぎると雑になる。
ばんりょくに もつれてあすの はなのさき季語=万緑 ※見渡す限りの草木の緑。 ※淡さの消えた力強い木々の緑のこと。 ※気を付けよう。きょうもありがとうございます。
26日(月)
願わくば夾竹桃の血潮かな
樹液には強い毒性があるらしい。
ねがわくば きょうちくとうの ちしおかな季語=夾竹桃 ※インド原産の花木で、夏のあいだ中咲き続けます。 ※花色はその名の通り桃色です。白や黄色もありますが。 ※とても丈夫な木。きょうもありがとうございます。
25日(日)
歩き方しばらくかえて夜のつまる
本業が忙しくて、またずるずると夜型になってしまったよ。
あるきかた しばらくかえて よのつまる季語=夜のつまる ※一年で最も夜が短いのは、夏至(6月21日ごろ)のころです。 ※午前4時台ともなると白々と明けはじめてしまいます。 ※「短夜(みじかよ)」や「明易し」と同じ。 ※只今まさに午前4時(泣)。きょうもありがとうございます。
24日(土)
一途さを弱さと呼びぬ花ざくろ
もともと「紅一点」の紅とはザクロの花のことなんですよね。 紅というより朱色だけどね。
いちずさを よわさとよびぬ はなざくろ季語=花柘榴 ※世界で栽培されている果物のなる木の中でも、もっとも古いもののひとつといわれています。 ※園芸品種には白色もあれば黄色も、絞りもあります。 ※八重咲もある。きょうもありがとうございます。
23日(金)
適当にまわりを埋めて花葵
一番上の花が咲くころに、梅雨が終わる?
てきとうに まわりをうめて はなあおい季語=花葵 ※タチアオイのこと。高さ2メートルにも達する。 ※花は下から順に咲き上がる(?)、といわれています。 ※いずれも俗説ですよ。きょうもありがとうございます。
22日(木)
白靴や少し自由で少し不自由
汚れが気になるのも、はじめのうちだけさ。
しろくつや すこしじゆうで すこしふじゆう季語=白靴 ※夏は白い靴を履くひとが多いことから、現代的な季語のひとつとなっています。 ※男性もエナメルの白い靴を履いていた時代があった。そういえば最近は見かけない。 ※今年は白いスニーカーが大流行ね。きょうもありがとうございます。
21日(水)
ふところに梅雨の嵐の迷い込み
激しい雨がおさまったと思ったら、吹き飛ばされそうな強い風。
ふところに つゆのあらしの まよいこみ季語=梅雨 ※とある天気予報では、今日の雨を「梅雨嵐」と言っていたよ。 ※ちなみに「梅雨嵐」という季語はありません。 ※「荒梅雨(あらづゆ)」という季語があります。「づゆ」と濁ります。 ※ばたばたと。きょうもありがとうございます。
20日(火)
遠慮から真っ直ぐ伸びる今年竹
新しい竹はひと目でわかる。
えんりょから まっすぐのびる ことしだけ季語=今年竹 ※若竹のこと。竹は成長が早い。 ※遥か見上げるほど。きょうもありがとうございます。
19日(月)
間延びしてそれがあたかも夏落葉
常緑樹の葉も、古いものから新しいものへと入れ替わります。
まのびして それがあたかも なつおちば季語=夏落葉 ※松、杉、樫、椎など足もとを見れば、古い葉がひっそりと落ちています。 ※新旧交代のようなもの。きょうもありがとうございます。
18日(日)
たいていのことはぎりぎり昼寝覚
休日くらい、のんびりしたい。
たいていのことはぎりぎり ひるねざめ季語=昼寝覚 ※真夏の夜などは寝不足がちになるため、夏の季語となったのだと思います。 ※梅雨は梅雨で疲れるね。きょうもありがとうございます。
17日(土)
ひとくさりありて眺める夏の草
力強くて生命力にあふれています。
ひとくさりありてながめる なつのくさ季語=夏の草 ※夏に生えるあらゆる草のこと。 ※うっとうしい面も。きょうもありがとうございます。
16日(金)
蝸牛詫びて背中の殻残す
マンガみたいなひとコマ。あるわけないけど、あったらおもしろい。
かたつむり わびてせなかの からのこす季語=蝸牛 ※カタツムリは陸上の巻貝なんですよ。 ※梅雨時に多い。きょうもありがとうございます。
15日(木)
白玉は太りやすくていいかげん
均一にすることは、むずかしい。かんたんは、むずかしい。
しらたまは ふとりやすくて いいかげん季語=白玉 ※白玉粉を水で練ってつくる。 ※あんみつとか、かき氷とか。きょうもありがとうございます。
14日(水)
手の上で転がるそぶり沙羅の花
ツバキより華奢な白い花。 花びらのふちがギザギザしています。
てのうえで ころがるそぶり しゃらのはな季語=沙羅の花 ※ツバキ科の花で、「夏椿」が正式な植物名。 ※1日花で、ツバキと同じく根元から落花します。 ※毎日ぽとりと落ちる。きょうもありがとうございます。
13日(火)
梅雨寒や地蔵通りを足早に
大きなカバンは、 よく濡れる。
つゆさむや じぞうどおりを あしばやに季語=梅雨寒 ※梅雨時はたまに驚くほど寒い日があります。 ※迷うときは長袖。きょうもありがとうございます。
12日(月)
小利口なふりを続けし額の花
アジサイより扁平な感じがします。
こりこうな ふりをつづけし がくのはな季語=額の花 ※額紫陽花(がくあじさい)とも呼ばれます。 ※現在のアジサイの大もととも言われています。 ※丸くならない。きょうもありがとうございます。
11日(日)
ほっそりとここぞとばかり立浪草
紫色の花。庭先を飾る花として、そこそこ人気かも。
ほっそりと ここぞとばかり たつなみそう季語=立浪草 ※シソ科の多年草で、群生します。 ※茎の上部に同じ方向に並んで花を付けます。 ※言われてみれば、打ち寄せる波のようにも見えるかも。 ※山野に自生してるそう。きょうもありがとうございます。
10日(土)
青梅やつとめて丸く丸くなる
梅雨どきに黄色く熟すというが。
あおうめや つとめてまるく まるくなる季語=青梅 ※まだまだ青い。きょうもありがとうございます。
9日(金)
口なしの花あっさりとくじけおり
咲きはじめは白く、しだいに黄色くにごる。黄色が本当の色なのかもしれない。
くちなしのはな あっさりと くじけおり季語=梔子の花 ※沈丁花、金木犀に並ぶ香りの強さ。とくに夜に香る。 ※実が熟しても割れることがないのでクチナシという。 ※実は黄赤。きょうもありがとうございます。
8日(木)
南天の花や小さく弾けおり
赤い実は知っていても、 その花を知っている人は少ない。
なんてんのはなや ちいさくはじけおり季語=南天の花 ※目立ちようもない白い小さな花。 ※穂のように円錐形にかたまって咲きます。 ※強いて言えば、花の大きさに似合わない、葯(やく)と呼ばれる黄色い花粉の袋が特徴的です。 ※遠目にはくすんで見える。きょうもありがとうございます。
7日(水)
程々になぞなぞ遊び今日梅雨入
暦の上では、6月11日ごろなので、ちょっと早い。
ほどほどに なぞなぞあそび きょうついり季語=梅雨入 ※梅雨に入ることで、入梅(にゅうばい)と同じ。 ※一般的には「梅雨入り(つゆいり)」といいますね。 ※天気予報の通りでした。きょうもありがとうございます。
6日(火)
気まぐれもほどよく抜けて六月に
早ければ、明日から梅雨入りらしいぞ。
きまぐれも ほどよくぬけて ろくがつに季語=六月 ※六月といえば梅雨です。きょうもありがとうございます。
5日(月)
お揃いはなんだか不安ソーダ水
似たようなものでも、 炭酸水の方が余程こじゃれてる。
おそろいは なんだかふあん そーだすい季語=ソーダ水 ※ソーダ水はそもそも響きが古くさい、そんな気がします。 ※近ごろ朝ドラでよく見る。きょうもありがとうございます。
4日(日)
葛餅や甘え上手も口下手も
とはいえ、多くは小麦粉でんぷんを使用しているそうだ。
くずもちや あまえじょうずも くちべたも季語=葛餅 ※本来はくず粉を原料とした、切り餅のような形の和菓子。 ※原料であるくず粉に限りがあるようだ。 ※美味ければそれよし。きょうもありがとうございます。
3日(土)
膝小僧かくりと鳴らし雪解富士
その姿がくっきりと見えると、 やっぱりなんか感動するわ。
ひざこぞう かくりとならし ゆきげふじ季語=雪解富士 ※初夏のころの富士山のこと。 ※山頂付近の雪もとけはじめ、随所で山肌を露わにします。 ※日本人ですね。きょうもありがとうございます。
2日(金)
万緑の風の中より風生まれ
休日は驚くほど混む場所も、 平日はそれほどでもない。
ばんりょくの かぜのなかより かぜうまれ季語=万緑 ※木々はさらに青々として、生命力にあふれていること。 ※ときどき突風。きょうもありがとうございます。
1日(木)
道ずれを探しておりぬ夏の雨
降ってほしいときに降ってくれない!
みちずれを さがしておりぬ なつのあめ季語=夏の雨 ※梅雨に近づきつつある雨という感じです。 ※あと30日。きょうもありがとうございます。