今日の俳句、こうのこうき
2017年10月
31日(火)
優劣のありし紅葉の名を拾う
先日の台風に落された葉が、 まるでコウヨウしているかのようでした。
ゆうれつのありし もみじの なをひろう季語=紅葉 ※カエデはまだかな。きょうもありがとうございます。
30日(月)
薄目あけ十月台風居直りぬ
はやばやと木枯し。 例年より10日も早いそうだ。
うすめあけ じゅうがつたいふう いなおりぬ季語=台風 ※時期はずれの台風が過ぎ去ったと思ったら‥‥。 ※空は青かった。きょうもありがとうございます。
29日(日)
憤まんの落としどころに南瓜かな
もうすぐハロウィンですね。
ふんまんの おとしどころに かぼちゃかな季語=南瓜 ※国内産のカボチャの旬は初夏から秋にかけて。 ※いまだ他人事。きょうもありがとうございます。
28日(土)
先回りしては急き立て実南天
ごわっとたれる、まん丸の真っ赤な実たち。
さきまわりしては せきたて みなんてん季語=実南天 ※ナンテンという名を「難を転ずる」に掛けて、古くから縁起木として親しまれています。 ※晩秋から冬の季語。きょうもありがとうございます。
27日(金)
明るくて拙きものに初紅葉
何をもって初なのでしょうか。
あかるくて つたなきものに はつもみじ季語=初紅葉 ※今年最初に目にした紅葉のこと。 ※もしくは、色づいたばかりの紅葉をさす。 ※街中ではハナミズキが紅葉しています。 ※解釈による。きょうもありがとうございます。
26日(木)
皿に盛る林檎わずかに黄ばみおり
ひと手間が大切だ。 でもめんどうだ。そんなものだ。
さらにもる りんごわずかに きばみおり季語=林檎 ※アダムとイブが食べた知恵の木の実は、リンゴだとか。 ※美味しい季節。きょうもありがとうございます。
25日(水)
歯がゆさの馴染めど消えず秋の顔
癖のようなものを直すのは、本当に大変です。
はがゆさの なじめどきえず あきのかお季語=秋 ※悪戦苦闘的な。きょうもありがとうございます。
24日(火)
流し込むサプリメントや木の実落つ
真っ赤な花水木の実が、あちこちで目にとまる。
ながしこむ さぷりめんとや このみおつ季語=木の実落つ ※秋になるすべての木の実のこと。 ※そのほとんどは熟すと自然に落ちる。 ※土に埋めなきゃ芽は出ない。きょうもありがとうございます。
23日(月)
一日の長さを疎み烏瓜
蔦を途中で切られても、 いつまでもぶら下がっている。
いちにちの ながさをうとみ からすうり季語=烏瓜 ※カラスが好んでついばむのでこの名があります。 ※ウリ科のつる草で雑草のたぐい。 ※実は卵型で熟れると真っ赤になる。 ※落もせず腐りもしない。きょうもありがとうございます。
22日(日)
台風や右に左に靴ならべ
レインブーツやら何やらで狭い玄関がいっぱいだ。
たいふうや みぎにひだりに くつならべ季語=台風 ※すごい雨と風。きょうもありがとうございます。
21日(土)
簡単に鼻かぜ引いて冬隣
毎年のように「秋はどこにいった?」と、 口にしているような気がしますね。
かんたんに はなかぜひいて ふゆとなり季語=冬隣 ※冬が近いこと。でも着込み過ぎると汗をかくのさ。 ※超大型台風が‥‥。きょうもありがとうございます。
20日(金)
飲まされて飲まされ過ぎて夜寒かな
夜どころか、終日寒いけれど‥‥。
のまされて のまされすぎて よざむかな季語=夜寒 ※断る術も大切ね。きょうもありがとうございます。
19日(木)
団栗もビニール傘もみな同じ
関心がなければ、細かな違いなど、ないも同然。
どんぐりも びにーるがさも みなおなじ季語=団栗 ※シイ、ナラ、カシの実の総称をドングリといいます。 ※よく見れば違うのに。きょうもありがとうございます。
18日(水)
親しきも絵空事あり柿たわわ
たわわに実る柿、晩秋ならではの風景。
したしきも えそらごとあり かきたわわ季語=柿 ※人気の家庭果樹で、その種類は多い。 ※渋柿も熟柿となれば十分に甘くなります。 ※甘柿は日本特産。きょうもありがとうございます。
17日(火)
いちいちを言葉にしたる秋黴雨
年齢とともに 独り言が増えるのだろうかね。
いちいちを ことばにしたる あきついり季語=秋黴雨 ※梅雨のような秋の長雨のこと。 ※室内の湿度67%。きょうもありがとうございます。
16日(月)
ストレスに強くはなれず破芭蕉
むしろ弱い方が生きやすいらしい。
すとれすに つよくはなれず やればしょう季語=破芭蕉 ※晩秋ともなると大きな葉は雨風に裂けやすく、傷みやすい。 ※中途半端が一番つらい。きょうもありがとうございます。
15日(日)
勝ち馬に乗り遅れるや秋湿り
虫の骸がちらほらと目につきはじめた。
かちうまに のりおくれるや あきじめり季語=秋湿り ※秋は虫の音や月や紅葉の美しい時期ですが、同時に雨も多い。 ※しっかりと冬支度。きょうもありがとうございます。
14日(土)
見過ごして秋海棠の濡れそぼつ
雨と秋海棠の取り合わせは、 それはもう定番中の定番でございますよ。
みすごして しゅうかいどうの ぬれそぼつ季語=秋海棠 ※ベゴニアの仲間で、ピンク色の花をつけます。 ※細く伸びた赤い花柄が特長的です。 ※古くは「もの憂げな美女」のたとえでもあったとか。 ※当分雨が続くし。きょうもありがとうございます。
13日(金)
気後れがほのかにつのり吾亦紅
なが~いマッチ棒みたいな花。 花びらがないので散ることはないけど。
きおくれが ほのかにつのり われもこう季語=吾亦紅 ※花びらのない小花で、茎の先端に俵状の花穂をつけます。 ※密集した花は上から徐々に咲き下る。ふつうは下から上に。 ※いろいろ珍しいバラ科。きょうもありがとうございます。
12日(木)
負け惜しみ行ったり来たり秋暑かな
日差しも低く なってきているのに‥‥
まけおしみ いったりきたり しゅうしょかな季語=秋暑 ※残暑のこと。 ※例年なら10月過ぎには、まず使わない言葉ですけどね。 ※またも真夏日。きょうもありがとうございます。
11日(水)
試されて罪なく溢れ木犀は
ほろほろと零れる。
ためされて つみなくあふれ もくせいは季語=木犀 ※オレンジ色の花がキンモクセイ、白い花がギンモクセイ。 ※庭木に多いのは圧倒的にキンモクセイです。 ※甘い香り。きょうもありがとうございます。
10日(火)
賑わいは隠しおおせず小鳥来る
朝はとくに多く感じるのかも。
にぎわいは かくしおおせず ことりくる季語=小鳥来る ※秋になると日本に渡ってきたり、山から平地に降りてきたりする小鳥のことをいう。 ※色とりどり。きょうもありがとうございます。
9日(月)
つまらぬと言いてつまらぬ秋となり
三連休、晴れてよかったですね。
つまらぬと いいてつまらぬ あきとなり季語=秋 ※寒暖差疲れ!? きょうもありがとうございます。
8日(日)
新米とて玄関先にしばらくは
米も野菜なんだと、思うようになった。
しんまいとて げんかんさきに しばらくは季語=新米 ※この時期、今年とれた米が市場に出回りはじめます。 ※今年米ともいいます。 ※玄米60キロ。きょうもありがとうございます。
7日(土)
尾花揺れ妬みのしっぽわかちおり
月がぽかりと見えましたよ。雲がとても多かったけれど。
おばなゆれ ねたみのしっぽ わかちおり季語=尾花 ※月見に欠かせないススキのこと。 ※その形状が動物の尾に似ているので尾花とも呼ばれます。 ※秋の七草のひとつ。きょうもありがとうございます。
6日(金)
十月の分かりやすさに身をすくめ
室温と体感温度が、だいぶ違う。
じゅうがつの わかりやすさに みをすくめ季語=十月 ※十月といえば行楽シーズンなんですけどね。 ※雨が寒い。きょうもありがとうございます。
5日(木)
いわし雲さみしくなればなぐさみに
空一面の鰯雲が夕焼けに美しく染まります。次の日は雨であるとか、ないとか。
いわしぐも さみしくなれば なぐさみに季語=鰯雲 ※高い場所にできる雲で、巻積雲(けんせきうん)といいます。 ※小さな塊が無数に連なる雲で、鱗雲とも鯖雲とも呼ばれます。 ※高度5000メートル以上。きょうもありがとうございます。
4日(水)
萩こぼれ身振り手振りの増えており
ハギは草ではなく木。高いものでは2メートルほどに。
はぎこぼれ みぶりてぶりの ふえており季語=こぼれ萩 ※秋の七草のひとつとして古くから親しまれています。 ※万葉集などに登場するハギは山野に自生するヤマハギ。それはそれは丈夫だそうです。 ※高すぎると少し違和感も。きょうもありがとうございます。
3日(火)
貧しさに表裏のありぬ草の花
不幸中の幸いとか。ものは考えようとか。
まずしさに ひょうりのありぬ くさのはな季語=草の花 ※名のある花もそうでない花も、秋に咲く草の花のすべて。 ※草の花は秋が一番にぎやかなので秋の季語となっています。 ※春は木の花、秋は草の花。きょうもありがとうございます。
2日(月)
くさぐさと手足を求め穴惑い
ヘビは単独ではなく、集団で冬眠するそうですよ。
くさぐさと てあしをもとめ あなまどい季語=穴惑い ※秋の彼岸が過ぎても活動しているヘビを「穴惑い」という。 ※ヘビは春の彼岸に冬眠から目覚め、秋の彼岸にまた冬眠すると言われています。 ※仲間外れにされたのか、迷子になってしまったのか。 ※種種(くさぐさ)=いろいろ、さまざま。 ※草々(そうそう)に。きょうもありがとうございます。
1日(日)
おざなりの新旧後の更衣
まだ秋になったばかりでしたね。
おざなりのしんきゅう のちのころもがえ季語=後の更衣 ※夏の更衣に対して後の更衣といいます。 ※古くは旧暦十月一日に行われました。 ※いい加減。きょうもありがとうございます。