今日の俳句、こうのこうき
2018年1月
31日(水)
きんきんと晦日正月ひそやかに
晦日はその月の最後日のこと。正月は1月の別称です。
きんきんと みそかしょうがつ ひそやかに季語=晦日正月 ※正月の最後の日として祝う風習があるそうです。 ※かんぱーい! きょうもありがとうございます。
30日(火)
雪催いまだ遠慮の残りけり
夕方の6時ごろ、ちらちらと雪が舞ったのよ。 すぐに止んじゃったけれど。
ゆきもよい いまだえんりょの のこりけり季語=雪催 ※雪になりそうな気配があること。 ※ふつうは雪雲が重く垂れ込める様子をいう。 ※暗くてね。きょうもありがとうございます。
29日(月)
ともかくもだまって歩く寒日和
残雪の汚れがさみしい。
ともかくも だまってあるく かんびより季語=寒日和 ※寒いけど快晴。きょうもありがとうございます。
28日(日)
ずんぐりと右に曲がればまたも雪
今週また雪だって!? さすがに勘弁してほしいわ。
ずんぐりと みぎにまがれば またもゆき季語=雪 ※着ぶくれぶくぶく。きょうもありがとうございます。
27日(土)
謂れなき夢に屈みて寒の月
ひとの夢は、自分の夢ではないからね。 身も蓋もないことだけれども。
いわれなき ゆめにかがみて かんのつき季語=寒の月 ※31日は皆既月食が日本中で観察できるそうですね。 ※夜がながい、ながい。きょうもありがとうございます。
26日(金)
東京の雪やいつかのあとくされ
降り積もった雪が、溶けて冷えて氷になった状態を堅雪(かたゆき)といいます。これも季語です。
とうきょうのゆきや いつかの あとくされ季語=雪 ※厄介な残骸です。きょうもありがとうございます。
25日(木)
炬燵にて話の腰の粘りなく
ポキポキ、折り折られ。
こたつにて はなしのこしの ねばりなく季語=炬燵 ※正確には電気こたつと呼ぶそうだ。 ※芭蕉さんの頃のものとはだいぶ違う。 ※ぐだぐだ、ときどき。きょうもありがとうございます。
24日(水)
したたかに拭いてこぼす寒の水
空気すら刺すように冷たい。 空は真っ青なのに。
したたかに ぬぐいてこぼす かんのみず季語=寒の水 ※寒中の水は、確かに神秘的な力があるようにも思えます。 ※なんとなくですが。きょうもありがとうございます。
23日(火)
それぞれの事情のありて雪を掻く
駅までのそれなりの道ですら、 雪の残っているところが、あんがいあってさ。
それぞれの じじょうのありて ゆきをかく季語=雪掻き ※駐車場とか、空き家とか。きょうもありがとうございます。
22日(月)
この世から音なき音を雪しまく
雪は音もなく降り積もるもの。そうなんですけどね。
このよから おとなきおとを ゆきしまく季語=雪しまき ※「しまき」は、風巻と書きます。古くは風のことを「し」と呼んだそうです。風が巻くように吹く強風のことで、冬の季語。 ※「しまく(風巻く)」は、その動詞。 ※つまり「雪しまき」は、まあ、吹雪のようなもの。 ※昼からさっらさらの粉雪。きょうもありがとうございます。
21日(日)
厳寒の手持ちぶさたに赤き色
今年の冬は、「赤」がトレンドらしいですね。
げんかんの てもちぶさたに あかきいろ季語=厳寒 ※大寒のころの本格的な寒さ。 ※手にはしてみたものの‥‥。きょうもありがとうございます。
20日(土)
大寒や右も左も同じこと
室温と外気の差が、そうとう。
たいかんや ひぎもひだりも おなじこと季語=大寒 ※20日ごろ。もしくは、1年で最も気温の下がる15日間のこと。 ※しんしんと冷えてきた。きょうもありがとうございます。
19日(金)
天秤にかけて華やぐ四温かな
まだ真冬。しばらく真冬。月曜日には雪の予報。
てんびんに かけてはなやぐ しおんかな季語=四温 ※寒い日が数日続くと、やや温かい日が数日続く。 ※このサイクルをざっくり三寒四温と呼びます。 ※厳寒のころの季語。きょうもありがとうございます。
18日(木)
口中の荒れたるゆえの寒の雨
空気が乾燥すると 風邪が蔓延するからね。
こうちゅうの あれたるゆえの かんのあめ季語=寒の雨 ※寒中は雨が少なく乾燥しがち。そのため、寒中に降る雨はありがたいもの、とされています。 ※出不精になるけど。きょうもありがとうございます。
17日(水)
葉牡丹の花束あわく寄り添いぬ
花のない冬、花壇などに寄せ植えされる。
はぼたんの はなたばあわく よりそいぬ季語=葉牡丹 ※もとはキャベツの変種。観賞用として様々な品種がある。 ※江戸時代に渡来したキャベツは、野菜としてではなく、花の代わりとして重宝されたそうですよ。 ※色もいろいろ。きょうもありがとうございます。
16日(火)
くしゃみして憂いのひとつ忘れけり
出そうで出ないくしゃみは、 我ながら笑いたくなる。
くしゃみして うれいのひとつ わすれけり季語=くしゃみ ※風邪の前兆ともいうが、ほこりや温度差でもでる。 ※とはいえ用心が必要なので、冬の季語なのだろう。 ※油断するとめちゃ寒いし。きょうもありがとうございます。
15日(月)
下書きは膨大なりし寒灯下
積もり積もれば、という話。
したがきは ぼうだいなりし かんとうか季語=寒灯 ※冬の灯火全般をいいます。 ※酷く冷え込む夜は、外灯すら寒々と見える、かも。 ※最近はLEDだからね。きょうもありがとうございます。
14日(日)
たらればの魚の泳ぐ寒の水
冷たすぎて、あかぎれふたつ。
たらればの さかなのおよぐ かんのみず季語=寒の水 ※寒中の水のこと。冷たく澄んだ水。 ※昔々、この時期の水は、薬になると信じられていました。 ※風邪予防とかね。きょうもありがとうございます。
13日(土)
もんもんとカタチづくまで氷柱かな
氷柱のことを、 古くは垂氷(たるひ)と呼んだそうだ。
もんもんと かたちづくまで つららかな季語=氷柱 ※水の滴りが円錐状に凍ったもの。 ※軒や屋根、岩や木々の枝、草などに垂れ下がる。 ※真夜中に氷る。きょうもありがとうございます。
12日(金)
ふと浮かびはたと消え去る寒椿
自称「いいアイデア」みたいなねぇ。
ふとうかび はたときえさる かんつばき季語=寒椿 ※冬に咲くツバキのこと。寒中とも限らない。 ※逃した魚は、気の迷い。きょうもありがとうございます。
11日(木)
ゴムまりの弾むが如く寒波来る
ニュース映像で見た 雪合戦をする子どもたちがなんだかとても楽しそう。
ごむまりの はずむがごとく かんぱくる季語=寒波 ※シベリア方向から来る厳しい寒気団のこと。 ※日本海側は大雪となり、太平洋側は晴れる確率が高い。 ※波のように絶え間なく押し寄せて来るという。 ※しばらく続くね。きょうもありがとうございます。
10日(水)
寒紅梅さくと小さな音をたて
寒梅のなかで、 一番身近な花かもしれない。
かんこうばい さくとちいさな おとをたて季語=寒紅梅 ※寒中に咲く紅色の梅のこと。やはり目を引く。 ※こんなに寒いのに。きょうもありがとうございます。
9日(火)
小寒や大手を振ってゆるみおり
大寒に対しての小寒なのですが、 ほとんど耳にすることはないかも。
しょうかんや おおでをふって ゆるみおり季語=小寒 ※寒入り(1月5日ごろ)から15日間のこと。 ※大寒ほどじゃないから。きょうもありがとうございます。
8日(月)
雨降って松過ぎの日の世相かな
正月気分を、十分に引きずりながらも。
あめふって まつすぎのひの せそうかな季語=松過ぎ ※関東ではたいだい8日を境に正月気分も終わる。 ※3連休も終わり。きょうもありがとうございます。
7日(日)
痛みなど知らぬがごとし七草菜
セリ・ナズナ(ぺんぺん草)・ゴギョウ(母子草)・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ(蕪)・スズシロ(大根)の7 つ。そのうち4つは、まあ雑草かな。
いたみなど しらぬがごとし ななくな季語=七草菜 ※春の七種(ななくさ)のこと。 ※古くから1月7日にこの七種を入れた七草粥を食べる習わしがありました。新暦では促成栽培もの。 ※それでも、うれしいもの。きょうもありがとうございます。
6日(土)
目薬のいささか曲がる寒の入り
そういえば、昨日は洗濯物が ぜんぜん乾いてなかったよね。
めぐすりの いささかまがる かんのいり季語=寒の入 ※「寒」の時期に入る日。今年は5日が寒の入りでした。 ※この日から一年でもっとも寒いひと月となる。 ※とりあえず立春まで。きょうもありがとうございます。
5日(金)
返信の世辞ひとつなき賀状かな
まあ、変わりないようでよかった、 と、思うべきなんだろうけどね。
へんしんの せじひとつなき がじょうかな季語=賀状 ※年賀状のこと。新年の季語です。 ※12月中なら「賀状書く」。これは冬の季語。 ※新年と冬は違うらしい。きょうもありがとうございます。
4日(木)
鼻をかむさみしさに似て日向ぼこ
風のない日に限ります。
はなをかむ さみしさににて ひなたぼこ季語=日向ぼこ ※冬のよく晴れた日、日だまりで体を温めること。 ※日向ぼっこ。きょうもありがとうございます。
3日(水)
明日よりはかしこまりたる寝正月
官公庁をはじめ、 4日から仕事始めの会社が多い。
あすよりは かしこまりたる ねしょうがつ季語=寝正月 ※正月に外出することもなく家にいること。 ※または、昼近くまで、寝て夜も早いこと。 ※寝だめの日。きょうもありがとうございます。
2日(火)
初夢も八方美人なりにけり
今年のおみくじは、大吉でしたよ。
はつゆめも はっぽうびじん なりにけり季語=初夢 ※2日から3日にかけて見る夢と言われています。 ※1日から2日という説もあります。 ※どちらか良い方で。きょうもありがとうございます。
1日(月)
タッパーの角の丸みや年新た
おせちを詰めるためのものとか。
たっぱーの かどのまるみや としあらた季語=年新た ※新年のこと。新しい1年の始まり。 ※明けまして、きょうもありがとうございます。