今日の俳句、こうのこうき
2018年3月
31日(土)
いきいきと散りて桜の花の下
ソメイヨシノは、ほぼ終わり。
いきいきと ちりてさくらの はなのした季語=桜 ※代々木公園で花見。きょうもありがとうございます。
30日(金)
マンネリの染み込むまでの飛花落花
ひと駅向こうの本屋までのサクラの並木道。
まんねりの しみこむまでの ひからっか季語=飛花落花 ※サクラの花びらが舞い散る様子。 ※本来、「飛花」と「落花」はそれぞれ別の季語です。 ※意味はほぼ同じだから、強調でしょうかね。 ※月夜の晩に。きょうもありがとうございます。
29日(木)
連翹のほどよく眠る黄色かな
目の覚めるような黄色だけど、じっと見ていると眠くなります(嘘です)。
れんぎょうの ほどよくねむる きいろかな季語=連翹 ※長く伸びた枝を覆うように黄色い花をつける。 ※春光にうとうと。きょうもありがとうございます。
28日(水)
うろうろとするほどさみし夕桜
週末まで、どれくらい残っているかな。
うろうろとするほど さみし ゆうざくら季語=夕桜 ※ソメイヨシノだけがサクラではないのだけれど。 ※見事な飛花落花。きょうもありがとうございます。
27日(火)
日が暮れて人のふり見て桃の花
よく似ているけれど、 サクラやウメに比べると しべが長くて、花びらも大きい。
ひがくれて ひとのふりみて もものはな季語=桃の花 ※街中で見る桃の花は観賞用の「ハナモモ」と呼ばれえるもの。 ※薄紅、濃紫、白、絞りなど観賞用だけに複数の色があります。 ※とはいえ、いわるゆ桃色以外はモモとは気づかない、かもしれませんねぇ~。 ※咲きはじめた。きょうもありがとうございます。
26日(月)
生活に優先順位月おぼろ
ぼんやりする時間も必要だ。
せいかつに ゆうせんじゅんい つきおぼろ季語=月朧 ※おぼろ月のこと。月の輪郭をぼんやりとにじませる。 ※昼間であれば霞と呼び、夜であれば朧と呼ぶ。 ※じつは同じ現象。きょうもありがとうございます。
25日(日)
粉チーズまわしかけたり春の昼
なんとなくだるくて、 なんとなくまったりとした感じかな、 休日の春の日の昼間って。
こなちーず まわしかけたり はるのひる季語=春の昼 ※春の昼は特別だ。なので春昼ともいう。 ※炎昼はあるけれど、夏昼も秋昼も冬昼という季語はない。 ※冬に至っては「冬の昼」という季語すらない。 ※うとうとしたくなる。きょうもありがとうございます。
24日(土)
柳の芽こころ変わりは常のこと
風にもなびかぬほどに 刈り込まれたヤナギの枝にも うす緑の芽がぽつぽつと。
やなぎのめ こころがわりは つねのこと季語=柳の芽 ※糸のように長く垂れる枝に趣を感じるのでしょうかね。 ※黄緑色の小さな花が咲く。きょうもありがとうございます。
23日(金)
神経の張り詰めている春の山
仕事の関係で東北に来ています。 まだ枯れ色が多いように思えます。
しんけいの はりつめている はるのやま季語=春の山 ※桜はしばらく先のよう。きょうもありがとうございます。
22日(木)
何ひとつ浮かばぬときの桜かな
そのままの気持ち。 ときどきそんな日もあったりします。
なにひとつ うかばぬときの さくらかな季語=桜 ※思い出のなかへ。きょうもありがとうございます。
21日(水)
とっぷりとしらけた顔の春の雪
降っても積もらない雪。
とっぷりと しらけたかおの はるのゆき季語=春の雪 ※季語の本意としては、明るい晴れやかなイメージのもの。 ※しかしミゾレに変ると、一転、うれしくもない寒さ。 ※夜には激しい雨。きょうもありがとうございます。
20日(火)
あまりにも疲れしときの桜二分
折角の開花もこの寒さに足踏み状態のようだ。
あまりにも つかれしときの さくらにぶ季語=桜 ※しばらくは雨。きょうもありがとうございます。
19日(月)
くぐもりし優しきものに朝寝かな
朝寝ることではなく、 朝寝坊のことです。
くぐもりし やさしきものに あさねかな季語=朝寝 ※なぜ朝寝坊が春の季語なのか? ※春の朝は暑くもなく寒くもなく気持ちが良いので起きれない(起きたくない)、という理由らしい。 ※一年中の気もするが‥‥ね。きょうもありがとうございます。
18日(日)
美しく力のかぎり白木蓮
天を仰ぎ、少し閉じ気味に咲きます。
うつくしく ちからのかぎり はくもくれん季語=白木蓮 ※純白の大輪を咲かせるからハクモクレン。 ※ハクモクレンが属するモクレン類は、この世ではじめて美しい花をつけた木と言われています。 ※背の高い木です。きょうもありがとうございます。
17日(土)
正しきは何かのついでさくら咲く
山桜ですかね、ご近所のサクラも、咲いていましたよ。
ただしきは なにかのついで さくらさく季語=桜 ※開花宣言したそうな。きょうもありがとうございます。
16日(金)
儚さものらりくらりと落椿
季節の変わり目というのは、いろいろ大変だ。
はかなさも のらりくらりと おちつばき季語=落椿 ※地面に落ちた椿のこと。 ※散ることなく花ごとストンと落ちる。 ※ポトリ。きょうもありがとうございます。
15日(木)
ゆるやかに目鼻を入れて春の服
似合うか、似合わないか。 ただそれだけ。
ゆるやかに めはなをいれて はるのふく季語=春の服 ※軽やかで春らしい服装のこと。 ※無理はいけない。きょうもありがとうございます。
14日(水)
夕焼けに口笛はさみホワイトデー
春の夕焼けくらいが、ちょうどいいのかも。
ゆうやけに くちぶえはさみ ほわいとでー季語=ホワイトデー ※ホワイトデーを知らない人はいないが、習慣的にはバレンタインデーほどではないみたいだ。 ※忘れることも多いでしょ? きょうもありがとうございます。
13日(火)
右曲がりなずなの花のあの通り
咲く前をよく知らず、気づけばいつも群れ咲いている。
みぎまがり なずなのはなの あのとおり季語=薺の花 ※春の七草のひとつ。茎の先に白い十字の小花を多数つける。 ※花のあとの実の形状からペンペン草、三味線草と呼ぶ。 ※どこにでも咲く。きょうもありがとうございます。
12日(月)
暗闇に爪先立ちの春の夢
予報では来週から本格的な春となるらしい。
くらやみに つまさきだちの はるのゆめ 季語=春の夢 ※「春眠暁を覚えず」の、春眠にみる夢。 ※ある種の儚いもののたとえ。きょうもありがとうございます。
11日(日)
透き通る大きな声でミモザ咲く
満面の笑顔だけど輪郭のない、そんな花。
すきとおる おおきなこえで みもざさく季語=ミモザ ※まぶしいくらいの黄色い丸い花で、群がるように咲きます。 ※ミモザはフランスの呼び名です。日本名はギンヨウアカシヤ。 ※そして、ヨーロッパではイースター(復活祭)の花。 ※東京ではこの時期に咲く。きょうもありがとうございます。
10日(土)
仮初めもなし崩しにて沈丁花
咲きはじめました。香りはじめました。
かりそめも なしくずしにて ちんちょうげ季語=沈丁花 ※香りのよい花で、雨の日などは特に香る。 ※花は細やかで十数個がまるくかたまって咲く。 ※春を告げる香り。きょうもありがとうございます。
9日(金)
寝るまでは今日という日で雨に春
そうそう。そんな感じ。われながら。
ねるまでは きょうとうひで あめにはる季語=春の雨 ※春雨(はるさめ)は、しとしと降る三月の雨のこと。 ※そこには、窓を打つ強さもふるえるような寒さもない。 ※まだ春雨ではないから、春の雨。 ※しっかし、よく降るな~。きょうもありがとうございます。
8日(木)
せいいっぱい猫背の背伸び春嵐
午前2時あたりから雨と風の音がすさまじい!
せいいっぱい ねこぜのせのび はるあらし季語=春嵐 ※春に吹く強風のこと。台風並みに雨を伴うことも。 ※気まぐれ的なもの? きょうもありがとうございます。
7日(水)
三月の空につられて疲れます
季節の変わり目は、つらい人にはつらいよね。
さんがつの そらにつられて つかれます季語=三月 ※日々温かくなるため、雨の日も多くなる。 ※ときどき冬の寒さも。きょうもありがとうございます。
6日(火)
しっかりと梅の匂いの薄紅梅
あちこちで(近場で)、ワーッと咲きはじめました。
しっかりと うめのにおいの うすこうばい季語=薄紅梅 ※凛とした白梅に対する、温かみのある紅梅系のひとつ。※薄い紅色の優し気な花をつける。 ※という塩梅。きょうもありがとうございます。
5日(月)
ほどよくも頭のなかに春の雨
傘がひっくり返るほどの強風だったよ。春の嵐だった日。
ほどよくも あたまのなかに はるのあめ季語=春の雨 ※ポタポタポタポタ。きょうもありがとうございます。
4日(日)
身支度もぼんやり軽く風光る
暖房も、コタツも、いらなかった1日。
みじたくも ぼんやりかるく かぜひかる季語=風光る ※春は風さえも輝いて見えますね、という感覚的な季語。 ※体調もふわふわ。きょうもありがとうございます。
3日(土)
ぼんやりと耳のらせんの雛祭り
沈丁花が一輪咲いていたよ。
ぼんやりと みみのらせんの ひなまつり季語=雛祭り ※3月3日、女の子の成長を祝う節句。桃の節句ともいう。 ※ほんの一輪。きょうもありがとうございます。
2日(金)
底意地の悪さもありて水温む
ひと頃よりはましになった気がする。
そこいじの わるさもありて みずぬるむ季語=水温む ※身近なさまざまな水のこと。川、池、沼、水道水も含まれる。 ※水の冷たさは不便だ。きょうもありがとうございます。
1日(木)
身軽さもこの日のための猫の恋
春の嵐の去ったあと、 屋根の上で日向ぼっこしている 少々太り気味の三毛猫を見た。
みがるさも このひのための ねこのこい季語=猫の恋 ※猫の発情期のこと。 ※本来は年に数回あるが、俳句では早春の発情期をいう。 ※ここらでは見かけない。きょうもありがとうございます。