今日の俳句、こうのこうき
2018年4月
30日(月)
重みすら感じぬままに花は葉に
日に透けて美しい。
おもみすら かんじぬままに はなははに季語=花は葉に ※葉桜。桜の木の若葉のこと。夏の季語。 ※三連休の終り。きょうもありがとうございます。
29日(日)
駅舎にて昭和のなごり燕来る
すばやく方向を変えて、気ままに飛んでいるようにも見えますが‥‥。
えきしゃにて しょうわのなごり つばめくる季語=燕来る ※飛びながら器用に昆虫を捕らえ、それを幾度となく雛に届けているのだとか。 ※そうだったんだ。きょうもありがとうございます。
28日(土)
二の足を踏みて明るし桜草
ただ一本だけ、咲いていたよ。
にのあしを ふみてあかるし さくらそう季語=桜草 ※サクラに似た花をつけるので、サクラソウという。 ※野生は群生しますが、今ではほとんど見ないそうです。 ※一つに花を五つほど。きょうもありがとうございます。
27日(金)
気まずさの端緒をつかむ竹の秋
目に見えるものだけが、 すべてではないのにね。
きまずさの たんしょをつかむ たけのあき季語=竹の秋 ※この時期、筍に栄養分を与えるため竹の葉は黄変する。 ※それが秋の季節を思わせるので、「竹の秋」という。 ※こころはややこしい。きょうもありがとうございます。
26日(木)
ぼんやりとからめとられて春の雲
雲の様子など見ているようで見ていない。
ぼんやりと からめとられて はるのくも季語=春の雲 ※月と同じくらいに。きょうもありがとうございます。
25日(水)
素振りすらみせずに春を惜しむなり
梅雨みたいな雨の朝でしたな。
そぶりすら みせずにはるを おしむなり季語=春惜しむ ※春は美しい季節。その終りを残念に思うこと。 ※午後は晴れたな。きょうもありがとうございます。
24日(火)
投げ出してひとつの答え春落葉
新しい葉のため?生き残るため。
なげだして ひとつのこたえ はるおちば季語=春落葉 ※常緑樹の落葉のこと。 ※晩春になると古い葉を落とします。 ※それを風情とも。きょうもありがとうございます。
23日(月)
終わりとて何かのついで春の朝
この時期は人によって、 服装がまちまちでおもしろい。
おわりとて なにかのついで はるのあさ季語=春の朝 ※暑くとも、肌寒くとも、春の朝。 ※冬服(?)も、ちらほら。きょうもありがとうございます。
22日(日)
あっさりと負けをみとめてうららかに
真夏日でも真夏の蒸し暑さとは、やはり違う。
あっさりと まけをみとめて うららかに季語=麗か ※春の日の明るくのどかな様子。 ※4月に東京29℃! きょうもありがとうございます。
21日(土)
後腐れなきよう笑う藤の花
華やかでいて、どこかさみしい。
あとくされなきようわらう ふじのはな季語=藤の花 ※マメ科のつる性落葉樹で、山野に自生する。 ※藤棚として鑑賞されるのは、野田藤と呼ばれるもの。 ※日本原産の花。きょうもありがとうございます。
20日(金)
春昼や好きも嫌いもあいまいに
次の日曜は、さらに暑いらしいよ。
しゅんちゅうや すきもきらいも あいまいに季語=春昼 ※春の昼は、明るくて、暖かくて、ときどき暑い。 ※真夏か! きょうもありがとうございます
19日(木)
健気さの濁りにも似て春の夢
寝心地のよい季節は短い。 だからといって、いい夢とは限らない。
けなげさの にごりにもにて はるのゆめ季語=春の夢 ※「春眠暁を覚えず」の春眠に見る夢。 ※ちなみに、夏の夢、秋の夢、冬の夢という季語はない。 ※昔は貴重だったのよ。きょうもありがとうございます。
18日(水)
泣き言に迷いのありぬ四月かな
真夜中、激しい雨音にまぎれて、たくさんの蛙の声が聞こえた、気がした。
なきごとに まよいのありぬ しがつかな季語=四月 ※4月は春たけなわだけれども、曇りの日も多い。 ※やっと晴れた! きょうもありがとうございます。
17日(火)
晩春の頭の中を書き換える
やけに暑かったり、寒かったり、また寒かったり。
ばんしゅんの あたまのなかを かきかえる季語=晩春 ※春を3つに分けたときの最後の時期。 ※雨が、つめたい。きょうもありがとうございます。
16日(月)
割り切れば切り売りとなり春大根
春は千葉産、夏は北海道産が主流となるようですよ。
わりきれば きりうりとなり はるだいこん季語=春大根 ※春から初夏にかけて収穫する大根のこと。 ※本来の旬は冬。きょうもありがとうございます。
15日(日)
大股で歩きて春の終わりかな
春がやけに短いと 夏はひどく暑くなるそうだ。 なんかたいへんそうだ。
おおまたで あるきてはるの おわりかな季語=春の終り ※晩春のこと。遅き春、春終る。 ※葉桜の季節。きょうもありがとうございます。
14日(土)
春雨や笑うが如くアイデアを
無理矢理にしぼり出すものより‥‥ そんな気がする。
はるさめや わらうがごとく あいであを季語=春雨 ※優しい雨。きょうもありがとうございます。
13日(金)
口ぐせの増えてたんぽぽ風まかせ
自分の口ぐせは、自分ではわからないのよ。
くちぐせのふえて たんぽぽ かぜまかせ季語=蒲公英 ※ほとんどは西洋たんぽぽ。在来種を見つけられたらラッキー。 ※見分け方については「たんぽぽ 見分け方」で検索してみて。 ※初夏みたいな春ですね。きょうもありがとうございます。
12日(木)
それぞれに言い分のあり木瓜の花
バラ科の木瓜の枝には、棘があります。
それぞれに いいぶんのあり ぼけのはな季語=木瓜の花 ※花は梅に似た5弁で、秋になる実はリンゴに似ている。 ※真っ赤な花が代表的。きょうもありがとうございます。
11日(水)
背徳の透き通るまで春疾風
突風で飛ばされそうだ、帽子が。
はいとくの すきとおるまで はるはやて季語=春疾風 ※春先の砂塵を巻き上げる強風や突風のこと。雨にはならない。 ※くるりんぱっ。きょうもありがとうございます。
10日(火)
囀りや耳をすませばまた一人
いろんな小鳥が鳴いています。
さえずりや みみをすませば またひとり季語=囀り ※春の繁殖期の、小鳥の美しい鳴き声をいう。 ※明るく賑やか。きょうもありがとうございます。
9日(月)
つつじ咲く人は隙間に苦労する
いろいろな隙間がある。 人と人の間にも‥‥。
つつじさく ひとはすきまに くろうする季語=躑躅 ※庭園と呼ばれるものには、ほぼ間違いなく咲いている。 ※人生にも。きょうもありがとうございます。
8日(日)
桜しべ降りてまともとなりにけり
八重桜で花見もいいよね。
さくらしべ ふりてまともと なりにけり季語=桜蘂降る ※花の後にがくに残ったしべが散ること。 ※地面が赤く染まったかのようにもみえる。 ※葉桜の季節へ。きょうもありがとうございます。
7日(土)
居眠りのかわりにエリカ花盛り
ぼんやり、ぽわーんとした感じの花。
いねむりの かわりにえりか はなざかり季語=エリカ ※切り花や庭木としてよく見るのは、ジャノメエリカと呼ばれるもの。蛇の目は和名。 ※紅紫色(マゼンタ色)の小さな丸い花をたくさんつける。 ※ツツジ科の常緑樹。きょうもありがとうございます。
6日(金)
平穏をふいと着飾る花水木
咲けばサクラのように、街中が明るくなる感じがしますよね。
へいおんを ふいときかざる はなみずき季語=花水木 ※ピンク、または白の花のような4枚の苞を広げます。 ※花期はわりと長め。きょうもありがとうございます。
5日(木)
むしゃくしゃと祈るかぎりの花ぐもり
コタツをしまわなくて、よかった。
むしゃくしゃと いのるかぎりの はなぐもり季語=花曇 ※サクラの時期のどんよりとした曇り空のこと。 ※雨もパラパラと。きょうもありがとうございます。
4日(水)
結び目のあえてふくらむ八重桜
なんか、いろんな花が 一気に咲き出した感じだ。
むすびめの あえてふくらむ やえざくら季語=八重桜 ※もっさりと丸く集まり咲くので、満開ともなると重そう。 ※他のサクラに遅れて咲き、他のサクラとは趣が違う。 ※毬のよう。きょうもありがとうございます。
3日(火)
涙目となりて眠たし著莪の花
もう群れ咲いていたよ。
なみだめとなりて ねむたし しゃがのはな季語=著莪の花 ※ふつうは5~6月ごろに咲くので、初夏の季語。 ※アヤメ科の花で、淡い紫色に黄色いはん点がある。 ※まるで初夏だ。きょうもありがとうございます。
2日(月)
生い立ちははじめ明るくチューリップ
お、咲いてる、咲いてる。
おいたちは はじめあかるく ちゅーりっぷ季語=チューリップ ※初夏のような気もしますが、春の花です。 ※原産もヨーロッパではなく、トルコのあたりなのだとか。 ※誰もが知っている花。きょうもありがとうございます。
1日(日)
四月馬鹿不器用なのでまた明日
手先はわりと器用なんですけどね。
しがつばか ぶきようなので またあした季語=四月馬鹿 ※エープリルフールのこと。騙された人のことも言うそうです。 ※ヨーロッパから日本に伝わったのは大正時代なのだとか。 ※めんどくさい。きょうもありがとうございます。