今日の俳句、こうのこうき
2018年9月
30日(日)
台風やあれこれ閉ざし目も閉ざし
午前2時、あまりにすさまじい風の音。 雨戸を閉めたら外の様子がわからない!
たいふうや あれこれとざし めもとざし季語=台風 ※台風24号に首都圏のJRを含む各線が午後8時を境に自主運休した。びっくりづくしだ。 ※消防車らしき音も!? きょうもありがとうございます。
29日(土)
雨冷やここぞとたまる人疲れ
早々とインフルエンザが流行りはじめたらしいですよ。 お気を付けください。
あまびえや ここぞとたまる ひとづかれ季語=雨冷 ※秋の雨の日、肌にひやりと感じる冷気をいう。 ※寒さのひとつ手前。きょうもありがとうございます。 【お知らせ】 無事にアドレスをhttps://haikustock.comに変更することができました。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
28日(金)
飛べぬから飛び立つ夢を蛍草
よくみる露草の別名。 月草・青花・藍花・帽子花と その他の名もかわいらしい。
とべぬから とびたつゆめを ほたるくさ季語=蛍草 ※強い日ざしに弱く、朝方に咲くことが多い。 ※昼ごろには美しい青い花びらに、くしゃくしゃと皺がよる。 ※朝露のような花。きょうもありがとうございます。
27日(木)
どんぐりを踏みて確かな軋みあり
雨上がりの公園。 ドングリだらけでよけられない。
どんぐりを ふみてたしかな きしみあり季語=団栗 ※ドングリとは、樫(かし)、椎(しい)、楢(なら)などの木の実のこと。その総称。 ※一般的に庭木として親しまれているのは、コナラ。その昔、ドングリは重要な食料のひとつだったそうです。 ※ドングリぱらぱら。きょうもありがとうございます。
26日(水)
気安さにまして傷つき柘榴の実
美しい花を観賞するためのザクロは「花ザクロ」。 果実の食用を目的とするものは「実ザクロ」と呼ばれています。
きやすさに ましてきずつき ざくろのみ季語=柘榴 ※ペルシャ原産の落葉樹で、平安時代に中国経由で観賞用として渡来しました。 ※実は赤く熟すと皮に亀裂が入り、たくさんの赤い種子を覗かせます。ざくりと開いた傷口のようにも、見えます。 ※日本では子宝の神・鬼子母神の果樹として知られています。 ※花ザクロにも実はなる。きょうもありがとうございます。
25日(火)
コスモスのとなりで雨に打たれけり
よく知られているのは、 ピンク色の一重の花。
こすもすの となりであめに うたれけり季語=コスモス ※キク科の一年草で、日本的な「秋桜」の別名を持つ。 ※メキシコ原産。花色はピンクの他に、白、赤紫など。 ※背の高いものは2メートルにも達する。 ※午後からずっと雨。きょうもありがとうございます。
24日(月)
ともかくも気づかぬままの無月かな
今どき、どれだけの人が、 お月見のための団子やススキを用意するのだろうかね。
ともかくも きづかぬままの むげつかな季語=無月 ※十五夜の日に月が雲に隠れていること。 ※見上げてはみた。きょうもありがとうございます。
23日(日)
晴れやかに飛ぶべきところとんぼ飛ぶ
子どものころは、オニヤンマなどは夏休みの昆虫、赤トンボだけが秋だったかな。
はれやかに とぶべきところ とんぼとぶ季語=蜻蛉 ※夏の季語とする「歳時記」もあれば、秋の季語とする「歳時記」もあります。 ※実際は晩春から秋深くまで、様々なトンボが飛んでいます。 ※明日は無月ですかね? きょうもありがとうございます。
22日(土)
人はみな努めて笑う秋彼岸
「笑いたい」から笑うのであって、 「笑わせろ」ではふつう笑えないよ。
ひとはみな つとめてわらう あきひがん季語=秋彼岸 ※秋分の日を中心に前後7日間が秋の彼岸。 ※この期間に多くの家庭では、先祖の供養や墓参りを行う。 ※彼岸は春と秋にあるので、秋は「秋彼岸」もしくは「後の彼岸」で季語とする。 ※春は「彼岸」のみで季語。きょうもありがとうございます。
21日(金)
朝顔に聞く耳という耳あげる
涼しくなると一日中咲いている。
あさがおに きくみみというみみ あげる季語=朝顔 ※夏のイメージの強いアサガオですが、秋の季語です。 ※開花時期は7月から10月上旬まで。けっこう長い。 ※奈良時代に中国から薬用として伝わったのが始まり。 ※朝に咲くからアサガオ。きょうもありがとうございます。
20日(木)
そりゃ逃げろ逃げろや逃げろ秋の蠅
さして肌寒いわけでもないので ハエの飛び方もまだ素早い。
そりゃにげろ にげろやにげろ あきのはえ季語=秋の蠅 ※秋が深まるとハエの飛び方も目に見えて元気がなくなる。 ※ゲリラ豪雨、続きますね。きょうもありがとうございます。
19日(水)
枝豆や都合の悪きときは塩
枝豆は青い。本来、青い。「茶豆」とか「だだちゃ豆」などあるが、 茶色いのは、茹で過ぎだ。
えだまめや つごうのわるき ときはしお季語=枝豆 ※未熟な青い大豆のこと。秋の季語です。 ※枝付きのまま市場に出回るので枝豆と呼ぶ。つまり総称。 ※現在では枝豆専用種もあり、200を超える品種がある。 ※季節感は夏かも。きょうもありがとうございます。
18日(火)
九月にて日々やわらかく怯みなく
「暑さ寒さも彼岸まで」と 昔から言いますが、異常気象の今年は、 なんだかあやしい感じですか。
くがつにて ひびやわらかく ひるみなく季語=九月 ※秋らしくなる季節で、前半は台風が上陸することが多い。 ※まもなく秋のお彼岸だ。きょうもありがとうございます。
17日(月)
あらためて豊かにゆるく竹の春
竹にとっては春が秋で、秋が春。 ふつうの植物とは真逆なのだ。
あらためて ゆたかにゆるく たけのはる季語=竹の春 ※竹は春には筍に栄養を与えるため黄葉して落葉したりする。秋にはその筍も若竹に成長するため、青々と本来の姿を取り戻す。 ※質もよくなる。きょうもありがとうございます。
16日(日)
のんびりと悲喜こもごもの秋の蝶
白い蝶がつがいで飛んでいた。
のんびりと ひきこもごもの あきのちょう季語=秋の蝶 ※8月、9月の晴れの日は蝶をよく見ます。 ※秋の空は変りやすい。きょうもありがとうございます。
15日(土)
こみ上げて飲み込むまでの月の暈
月のまわりにうっすらと光の輪(暈)が見えたら、 昔から明日は雨だというよね。
こみあげて のみこむまでの つきのかさ季語=月 ※秋は「月」一字で季語となる。空が澄んでるので。 ※雨日和。きょうもありがとうございます。
14日(金)
白露にて半目を開けて眺めけり
夜露、朝露、街中ではまだ早いかね。
はくろにて はんめをあけて ながめけり季語=白露 ※二十四節気のひとつ。 ※9月8日ごろから秋分(23日ごろ)までの15日間。 ※昼夜の寒暖差で草花に露が降りるといわれている。 ※季節は変わります。きょうもありがとうございます。
13日(木)
湯のなかに今宵の秋のありにけり
いつもと同じようにお湯の具合を調整して、 いつもと同じ時間で湯船にお湯をはる。 夏や冬だと蛇口から流れるお湯の勢いで気づくけれど、 夏から秋への変わり目はタイマーが知らせるそのときまで 湯量の変化に気づかなかった。
ゆのなかに こよいのあきの ありにけり 季語=秋 ※木の上から虫の声が。きょうもありがとうございます。
12日(水)
けいとうの花にめでたき赤と白
デザイン的で新しそうな花ですが、 『万葉集』にも登場する歴史ある花。
けいとうの はなにめでたき あかとしろ季語=鶏頭 ※最近の園芸品では、黄色やオレンジ色、白もめずらしくない。 ※『万葉集』には「からあい」という名で詠まれています。 ※これからはケイトウ=赤ではないのかもしれない。 ※カタチもいろいろあるし。きょうもありがとうございます。
11日(火)
からくりのためのからくり曼珠沙華
真っ赤な花が枯れてしまうと、誰もこの花のあった場所だとは気づかない。
からくりの ためのからくり まんじゅしゃげ季語=曼珠沙華 ※お彼岸の頃に咲く、打ち上げ花火のような赤い花。 ※30センチほどの細い茎の頂に一輪だけ咲く。 ※花が枯れるとまっすぐな茎も倒れ、その後に生える細い葉が全体を覆い隠してしまいます。 ※道端で群生しています。きょうもありがとうございます。
10日(月)
どんよりと愁思の足りぬ夜の更ける
「なんとなくさみしい」は、 気温の変化にも関係があるのだろうね。
どんよりと しゅうしのたりぬ よのふける季語=愁思 ※秋の物思いのこと。 ※またもや雨。きょうもありがとうございます。
9日(日)
馬鹿らしくなりてぺこりと夜の長さ
空気のせいなのか 虫の声がやけに響く。
ばからしくなりて ぺこりと よのながさ季語=夜長 ※夜が長くなったと感じること。 ※夏の終りに強く感じることから秋の季語となっています。 ※実際には、秋分過ぎから昼と夜の時間が逆転します。 ※鈴虫、蟋蟀、エトセトラ。きょうもありがとうございます。
8日(土)
九月にてそれなりにほらそれらしく
曼珠沙華(まんじゅしゃげ)の花が咲きはじめましたよ。
くがつにて それなりに ほらそれらしく季語=九月 ※どんなに暑くても夏日とは言いにくい。日々秋らしさを実感するそんな月。 ※冷房は欠かせないけど。きょうもありがとうございます。
7日(金)
嘘つきの性根に座するちちろ虫
そういえば、LEDの光って事務的すぎるくらい真っ白ですよね。
うそつきの しょうねにざする ちちろむし季語=ちちろ虫 ※蟋蟀(こおろぎ)のこと。暗い所を住みかとして好む。 ※毎晩にぎやかです。きょうもありがとうございます。
6日(木)
はみ出して皿におさまる秋刀魚焼く
あらためて、サンマって長い魚なんだなぁ、ってね。
はみだして さらにおさまる さんまやく季語=秋刀魚 ※今年は豊漁らしいね。きょうもありがとうございます。
5日(水)
梨のこと少しも知らず梨を剥く
2度買って、2度ともはずれ。(つまりは、いずれも好みではなかったの) 次は、少し調べてから、買おうかね、と思った次第です!
なしのこと すこしもしらず なしをむく季語=梨 ※ちょっと検索しただけで、一見どれも同じ見えるナシも、じつはけっこう品種が多いことを知ったよ。 ※なるほど、なるほど。きょうもありがとうございます。
4日(火)
何しても何しなくても野分中
台風の進路ではない東京でも窓の近くにいるのが、少々怖いくらいの荒れ方だ。
なにしても なにしなくても のわきちゅう季語=野分 ※台風のこと。いわゆる雅語ですが、広い意味での雨を伴わない秋の暴風を指す。 ※明日もお気を付けください。きょうもありがとうございます。
3日(月)
甘いだけのパフェのとなりに秋の雲
雨が上がって空を見上げたら、 ああ秋なのね、と思える夕焼け雲でした。
あまいだけの ぱふぇのとなりに あきのくも季語=秋の雲 ※秋の雲は、変化に富む。白くて、高所に浮かんでいる。 ※大ぶりなさざ波のよう。きょうもありがとうございます。
2日(日)
沈黙のたゆたうごとく菊の白
雨は残念だったけれど、 涼しくてよかった。
ちんもくの たゆたうごとく きくのしろ季語=菊 ※仕立て物の大菊から中菊・小菊まで数千という種類がある。 ※中菊です。きょうもありがとうございます。
1日(土)
きりぎりす頑張りますかときどきは
イソップ物語のキリギリスは怠け者というより、きっと、筋金入りの楽天家だ。 そう、たぶん。
きりぎりす がんばりますか ときどきは季語=螽斯 ※漢字で書くと、なんだこれ、読める気がしない。 ※昼に鳴く秋の虫で、鳴き声は「チョンギース」というもの。 ※正直、美しくはないぞ。きょうもありがとうございます。