今日の俳句、こうのこうき
2020年10月
31日(土)
捨てきれぬものあり満月隙あらば
夕方の6時前だったと思う。 月があまりに大きくて足が止まった。
すてきれぬものあり まんげつ すきあらば季語=満月 ※月は秋の季語です。 きょうもありがとうございます。
30日(金)
自ずから締め付けるもの秋の風
おのずから しめつけるもの あきのかぜ季語=秋の風 ※もはや晩秋の風ですね。ときおり吹く風の冷たさに驚く。 きょうもありがとうございます。
29日(木)
大概のひとは器用に秋の朝
たいがいの ひとはきように あきのあさ季語=秋の朝 ※秋らしくない陽気であっても、早朝は肌寒く秋の深まりを感じます。 きょうもありがとうございます。
28日(水)
やむなしと満天星紅葉走りけり
やむなしと どうだんもみじ はしりけり季語=満天星紅葉 ※ドウダンツツジの紅葉は純粋な赤色。ドウダンが色づき始めたら、本格的な紅葉期の到来ともいわれています。 きょうもありがとうございます。
27日(火)
素朴さをながめて飽きぬ次郎柿
そぼくさを ながめてあきぬ じろうがき季語=次郎柿 ※静岡原産の甘柿。10月下旬から11月中旬がおいしい時期とされています。 きょうもありがとうございます。
26日(月)
緩やかに愁思まるくて人と会う
ゆるやかに しゅうしまるくて ひととあう季語=愁思 ※秋のころの物思い。秋の寂しさ、秋のあわれ、とも言い換えられる。 きょうもありがとうございます。
25日(日)
落ち着いて雑木紅葉のひとしきり
おちついて ぞうきもみじの ひとしきり季語=雑木紅葉 ※カエデなど紅葉が美しいとされる木々ではなく、その他の諸々の木が色づくこと。それなりに趣がある。 きょうもありがとうございます。
24日(土)
秋の日はみんなまとめて良しとする
あきのひは みんなまとめて よしとする季語=秋の日 ※秋の一日のこと。または秋の太陽であり、秋の日差し。 きょうもありがとうございます。
23日(金)
自ずから沁みだすように鰯雲
おのずから しみだすように いわしぐも季語=鰯雲 ※さざ波のように広がる美しい雲。小さな断片の塊がイワシの群のように見えるからとも。もちろん諸説ある。 きょうもありがとうございます。
22日(木)
日暮れ急だからときどき軽くなる
ひぐれきゅう だからときどき かるくなる季語=日暮急 ※秋の日の「釣瓶落し」のこと。「ついこの間まで!」と思うからなおさら日暮れが早く感じる。 きょうもありがとうございます。
21日(水)
団栗や屈めば一つ二つ三つ
どんぐりや かがめばひとつ ふたつみつ季語=団栗 ※お椀形の帽子のようなもの(はかま)を持つ木の実のこと。クヌギ、ナラ、ブナ、カシなどの実の総称で、広くはクリも含まれます。 きょうもありがとうございます。
20日(火)
秋晴れに去年の服もはや古び
あきばれに きょうねんのふくも はやふるび季語=秋晴れ ※秋の晴天。すっきりと晴れると空が高い。 きょうもありがとうございます。
19日(月)
ほのぼのと称えそれきり柿紅葉
ほのぼのと たたえそれきり かきもみじ季語=柿紅葉 ※柿紅葉は一枚の葉の中に緑、黄、橙、紅色と複雑に色付く。足もとの落葉を見て気づくことが多い。 きょうもありがとうございます。
18日(日)
秋夕焼けほどよく溶けてうやむやに
あきゆやけ ほどよく溶けて うやむやに季語=秋夕焼 ※秋も深まるにつれ、夕焼けの燃えるような色も淡く穏やかになります。俳句では「ゆやけ」と読ませることも。語呂がいい。 きょうもありがとうございます。
17日(土)
秋冷や根菜類に残る土
しゅうれいや こんさいるいに のこるつち季語=秋冷 ※秋になって感じる冷気。ひえびえとしていること。 きょうもありがとうございます。
16日(金)
ひたむきをかき集めたら秋の雲
ひたむきを かきあつめたら あきのくも季語=秋の雲 ※秋の雲は変化に富んでいます。高い空に浮かぶ鰯雲などは、まさに秋といった雲のひとつです。 きょうもありがとうございます。
15日(木)
あれこれと目移りする日柿を食う
あれこれと めうつりするひ かきをくう季語=柿 ※柿は秋の代表的な果物であり、日本を代表する果物のひとつ。海外でもカキは「kaki」で通じるそうです。 きょうもありがとうございます。
14日(水)
秋の蠅やかましいのでやっぱり始末
あきのはえ やかましいので やっぱりしまつ季語=秋の蠅 ※ハエも秋が深まると動きが鈍くなるが、家の中ではそうでもない。 きょうもありがとうございます。
13日(火)
ひっそりと散りばめながら秋の風
ひっそりと ちりばめながら あきのかぜ季語=秋の風 ※秋は変わり目の季節です。仲秋の風には心地よさもありますが、どちらかというとしみじみとしたイメージ。 きょうもありがとうございます。
12日(月)
難しく考えぬこと秋に蜂
むずかしく かんがえぬこと あきにはち季語=秋の蜂 ※秋に見るハチはミツバチが多い。ほとんどの種のハチは冬を迎える前に死んでしまう。 きょうもありがとうございます。
11日(日)
足もとに桜もみじの生き生きと
あしもとに さくらもみじの いきいきと季語=桜紅葉 ※サクラの葉も紅葉します。ただ、葉っぱ自体が薄いので、すぐに散ってしまうようです。 きょうもありがとうございます。
10日(土)
こじあけて金木犀の雨となる
こじあけて きんもくせいの あめとなる季語=金木犀 ※雨が降ると木の下一面に小さなモクセイの花が降り積もる。 きょうもありがとうございます。
9日(金)
鶏頭花たぶん知ってる頭では
けいとうか たぶんしってる あたまでは季語=鶏頭花 ※ケイトウの花は、小さな花の集合体で、太い茎の先端にもっさりとのっかっています。まさにニワトリのトサカといった感じ。高さは1メートル以上にもなります。 きょうもありがとうございます。
8日(木)
ころがりてふとしたときに野分めく
ころがりて ふとしたときに のわきめく季語=野分 ※本意は秋の(雨を伴わない)強風のこと。今では台風の同義として使われることが多い。 きょうもありがとうございます。
7日(水)
おもしろく成り行きまかせ蔦紅葉
数枚の葉がきれいに紅葉していた。
おもしろく なりゆきまかせ つたもみじ季語=蔦紅葉 ※ツタの語源は「伝う」。青々としたツタも美しいものですが、鮮やかに紅葉するツタの美しさは格別。ゆえにモミジとあえて言わなくても「蔦」だけで秋の季語になります。 きょうもありがとうございます。
6日(火)
小式部のともかく緩くすれ違う
こしきぶの ともかくゆるく すれちがう季語=小式部 ※長くしなる枝に紫色の小さな実をびっしりと付けます。一般的には小紫(こむらさき)という。洋風の庭にも人気のようです。 きょうもありがとうございます。
5日(月)
ここですよ金木犀の香りおり
ここですよ きんもくせいの かおりおり季語=金木犀 ※キンモクセイもその香りで開花を知る花木でしょう。甘い香りのするオレンジ色の小さい花を無数に付けます。 きょうもありがとうございます。
4日(日)
おごそかに不安にまみれ鉦叩
おごそかに ふあんにまみれ かねたたき季語=鉦叩 ※チンチンチンと、小さく鳴くコオロギ科の昆虫。小さいがよく通る声。地上ではなく、街路樹や庭木の上に生息するらしい。 きょうもありがとうございます。
3日(土)
くたびれてそこにあるので古米炊く
くたびれて そこにあるので こまいたく季語=古米 ※新米(今年米)の届く季節となりました。そうなると昨年の米は古米となり、急に水加減などが気になったりします。 きょうもありがとうございます。
2日(金)
すり切れて風となるもの秋桜
すりきれて かぜとなるもの あきざくら季語=秋桜 ※コスモスの和名。原産はメキシコで、江戸の末期に渡来したといわれています。薄紅だけでなく、白やオレンジ、紫などの花色があります。 きょうもありがとうございます。
1日(木)
いいこともありてそこそこ今日の月
いいこともありて そこそこ きょうのつき季語=今日の月 ※旧暦八月十五日の月で、仲秋の名月のこと。 きょうもありがとうございます。