今日の俳句、こうのこうき
2020年11月
30日(月)
まったりとてんでんばらばら紅葉散る
まったりと てんでんばらばら もみじちる季語=紅葉散る ※東京では例年、12月上旬あたりが楓紅葉の見ごろ。その他のモミジはだいぶ落葉が目立ちはじめた。散り敷いたモミジには、また別の美しさと趣があったりする。 きょうもありがとうございます。
29日(日)
薄っすらと気づきしときの隙間風
うっすらと きづきしときの すきまかぜ季語=隙間風 ※戸や窓枠、壁にできた隙間などから風が入ってくること。かすかなものでもヒヤリとする。 きょうもありがとうございます。
28日(土)
恐ろしく傷つきやすく寒空は
おそろしく きずつきやすく さむぞらは季語=寒空 ※冬の空。澄みわたるような青空の日には、空の様子だけでは寒いさが実感できないようだ。 きょうもありがとうございます。
27日(金)
ピーマンの緑鮮やか冬の夜
ぴーまんの みどりあざやか ふゆのよる季語=冬の夜 ※寒い夜は静か。頭が冴えるようにも思うが、だいたいは気のせい。 きょうもありがとうございます。
26日(木)
ひとり言無駄に大きく冬めきぬ
ひとりごと むだにおおきく ふゆめきぬ季語=冬めく ※あらゆるものが冬らしくなること。水も冷たくなってきた。 きょうもありがとうございます。
25日(水)
今ここが浮き立ち木立ち黄ばみけり
いまここがうきたち こだち きばみけり季語=黄ばむ ※黄葉のこと。きょうもありがとうございます。
24日(火)
冬空に物分かりよく散りにけり
ふゆぞらに ものわかりよく ちりにけり季語=冬空 ※寒そうな空も、そうでもない空も、冬の空。 きょうもありがとうございます。
23日(月)
少なくも我に勤労感謝の日
すくなくも われにきんろう かんしゃのひ季語=勤労感謝の日 ※すべての勤労に互いに感謝し合う日。国民の祝日。 きょうもありがとうございます。
22日(日)
黄葉かな書き出しながら考える
もみじかな かきだしながら かんがえる季語=黄葉 ※イチョウなどの葉が黄色に変わること。 きょうもありがとうございます。
21日(土)
魂の入れ物として八つ手咲く
たましいの いれものとして やつでさく季語=八つ手の花 ※常緑で日陰にも強い観葉植物。特徴的な葉の形から別名を「天狗のうちわ」という。タンポポの絮のような白い花を咲かせる。 きょうもありがとうございます。
20日(金)
何かしら冬らしきこと冬椿
なにかしら ふゆらしきこと ふゆつばき季語=冬椿 ※冬に咲く椿のこと。あちこちの庭に咲く多くは早咲きの園芸種。 きょうもありがとうございます。
19日(木)
温情と卵の黄身と冬の日と
おんじょうと たまごのきみと ふゆのひと季語=冬の日 ※冬の太陽もしくは冬の日差しのこと。または冬の一日のことをいう。いずれを選択するかは文脈、もしくは好み、で判断するほかない。 きょうもありがとうございます。
18日(水)
草枯れる人は言葉で道描く
くさかれる ひとはことばで みちえがく季語=草枯れる ※「草枯れ」と「枯れ草」の違いは、全体と個体。「草枯れ」は風景として「枯れ草」を捉えています。 きょうもありがとうございます。
17日(火)
嫌みなく連なる音に松手入れ
いやみなく つらなるおとに まつていれ季語=松手入れ ※マツ類は古来から大切にされてきた庭園樹。11~12月にかけて古葉を取り除き、ハサミひとつで見事な樹形に整えます。 きょうもありがとうございます。
16日(月)
山茶花や逃げたいだから眠くなる
さざんかや にげたい だからねむくなる季語=山茶花 ※ツバキによく似た少し繊細な感じのする花で、冬を彩る。ツバキと違い、花びらをはらはらと散らす。 きょうもありがとうございます。
15日(日)
花もない風も吹かないピラカンサ
はなもない かぜもふかない ぴらかんさ季語=ピラカンサ ※真っ赤な実を枝いっぱいに付け、滝のように垂れ下がるピラカンサ。晩秋から冬にかけてひと際目を引く光景です。昭和40~50年代に観賞用樹として大流行したのだとか。 きょうもありがとうございます。
14日(土)
返り花間の悪さにも品という
かえりばな まのわるさにも ひんという季語=返り花 ※春の花が冬に咲くこと。小春日のころ、そうそうに春が来たと勘違いするらしい。ツツジ類をよく目にする。条件が合えば、サクラも。 きょうもありがとうございます。
13日(金)
神の留守そしていつもの時間切れ
かみのるす そしていつもの じかんぎれ季語=神の留守 ※陰暦十月のこと。この月は八百万の神々が出雲の国に旅立つため、各地の神が留守になるといわれています。 きょうもありがとうございます。
12日(木)
日だまりのあるべきところ落葉踏む
ひだまりの あるべきところ おちばふむ季語=落葉 ※落葉は晩秋からはじまりますが、冬の季語。柿落葉のように美しいものもあれば、カサカサに乾いたものなど、よく見ればいろいろ。 きょうもありがとうございます。
11日(水)
冷凍の過ぎたる匂い冬浅し
れいとうの すぎたるにおい ふゆあさし季語=冬浅し ※初冬のこと。秋の終りを感じる穏やかな晴れの日が多い。 きょうもありがとうございます。
10日(火)
裏返るまでの一押し小春空
うらがえるまでの ひとおし こはるぞら季語=小春 ※初冬のころ、まるで春がよみがえったような陽気の日がある。これを小さな春、「小春」と呼ぶ。ちなみにアメリカでは「インディアン・サマー」と呼ぶそうだ。 きょうもありがとうございます。
9日(月)
かいつまみ十一月の人となる
かいつまみ じゅういちがつの ひととなる季語=十一月 ※暦上は初冬。関東では紅葉の見ごろを迎え、例年下旬に近づくにつれ冬らしくなる。 きょうもありがとうございます。
8日(日)
明るさにつまずく不安石蕗の花
あかるさに つまずくふあん つわのはな季語=石蕗の花 ※菊に似た黄色い花を咲かせる常緑多年草。花の少ない冬の庭に観賞用として好まれる。 きょうもありがとうございます。
7日(土)
冬に入るやがて言葉に詰まるとも
ふゆにいる やがてことばに つまるとも季語=冬に入る ※立冬のこと。暦の上では今日から冬になる。 きょうもありがとうございます。
6日(金)
馬鹿らしくなるも寛容草紅葉
ばからしくなるも かんよう くさもみじ季語=草紅葉 ※庭や野原、路傍などに生える様々な草が色づくこと。木々の紅葉とはまた違う趣がある。 きょうもありがとうございます。
5日(木)
紅葉して明日の分の正しさを
もみじして あしたのぶんの ただしさを季語=紅葉 ※モミジといえば、とくに俳句では楓(かえで)、いろは紅葉をいう。一般的には秋になって赤や黄色に色づくすべての落葉樹の葉のこと。 きょうもありがとうございます。
4日(水)
鼻なでる木枯し吹いたいつ吹いた
はななでる こがらしふいた いつふいた季語=木枯し ※冬の到来を知らせる強い季節風。俳句では「凩」の字が使われることが多い。冬の季語。 きょうもありがとうございます。
3日(火)
情報の溢れんばかり文化の日
じょうほうの あふれんばかり ぶんかのひ季語=文化の日 ※文化の日が国民の祝日として制定されたのは終戦の翌年。もともとは明治節という明治天皇の誕生日を祝う日だったとか。 きょうもありがとうございます。
2日(月)
花梨の実見上げるときは泣き笑い
かりんのみ みあげるときは なきわらい季語=花梨の実 ※洋梨のような果実で、熟しても固く、見た目も少々いびつ。砂糖漬けにするなど、そのまま食すことはありません。 きょうもありがとうございます。
1日(日)
得手不得手気づかうだけの秋に薔薇
えてふえて きづかうだけの あきにばら季語=秋薔薇 ※バラは四季咲きですが、中でも秋は花色がより鮮明になるといわれ、香りも深い。 きょうもありがとうございます。