• 俳句ストック(シヲクム)

今日の俳句、こうのこうき

2020年12月

31日(木)

晦日蕎麦出されたものを食すのみ

みそかそば だされたものを しょくすのみ
季語=晦日蕎麦
※大晦日の夜に食べる年越しそばのこと。昔から縁起が良いものとされている。
来年は良い年でありますように。きょうもありがとうございます。

30日(水)

年惜しむいろんなことを持ち越して

としおしむ いろんなことを もちこして
季語=年惜しむ
※1年を振り返るなど、年末ならではの思いや気持ち。
きょうもありがとうございます。

29日(火)

好き嫌い普通とありて賀状書く

すききらい ふつうとありて がじょうかく
季語=賀状書く
※年賀状を書くこと。
きょうもありがとうございます。

28日(月)

厳かにその気はなくも湯冷めする

おごそかに そのきはなくも ゆざめする
季語=湯冷め
※お風呂上りに身体を冷してしまうこと。風邪の原因ともなるので、冬は注意が必要だ。
きょうもありがとうございます。

27日(日)

日向ぼこあちらとこちら開け放ち

ひなたぼこ あちらとこちら あけはなち
季語=日向ぼこ
※冬の日の日光浴のこと。日向ぼっこ。その昔は縁側などの日だまりで身体を温めた。
きょうもありがとうございます。

26日(土)

ありがちな本末転倒冬ごもり

ありがちな ほんまつてんとう ふゆごもり
季語=冬ごもり
※冬の寒さで家の中に籠りがちになること。今と昔、豪雪地域とその他の地域では切実さがまるで違う。
きょうもありがとうございます。

25日(金)

変わりなく変わらぬためのクリスマス

かわりなく かわらぬための くりすます
季語=クリスマス
※イエス・キリストの誕生日とされる日。本当のところは、いつ生まれたのかは不明という。
きょうもありがとうございます。

24日(木)

クリスマスイブだけでよく日本人

くりすます いぶだけでよく にほんじん
季語=クリスマスイブ
※クリスマスイブはクリスマスの前夜祭。子どもたちがサンタクロースのプレゼントを期待して靴下を下げる日が12月24日の夜。
きょうもありがとうございます。

23日(水)

ふつふつと思い出したら年の暮れ

ふつふつと おもいだしたら としのくれ
季語=年の暮れ
※12月も半ばを過ぎたあたりから大晦日までをいう。
きょうもありがとうございます。

22日(火)

鋭角に過ぎ行くものの息白し

えいかくに すぎゆくものの いきしろし
季語=息白し
※寒さで人の吐く息が白く見えること。動物も同じ。今年はマスクで見えないかも‥‥。
きょうもありがとうございます。

21日(月)

今日こそは明日こそはと冬の鳥

きょうこそは あしたこそはと ふゆのとり
季語=冬の鳥
※冬に見る鳥のこと。寒そうに見える。
きょうもありがとうございます。

20日(日)

うたた寝の続きよろしく枇杷の花

うたたねの つづきよろしく びわのはな
季語=枇杷の花
※冬、小さな白い花が寄り集まるように咲く。茶色い毛むくじゃらの花軸にまぎれてしまい、花はほぼ目立たない。
きょうもありがとうございます。

19日(土)

気をつかうとうに忘れて葱刻む

きをつかう とうにわすれて ねぎきざむ
季語=葱
※冬の野菜。関東では長ねぎ(根深ねぎ)が主流で、古くから薬用野菜としても重宝されています。
きょうもありがとうございます。

18日(金)

申し訳程度に冬菜洗いけり

もうしわけていどに ふゆな あらいけり
季語=冬菜
※冬に出回る葉を食べる野菜の総称。白菜、小松菜、水菜など。
きょうもありがとうございます。

17日(木)

冬雲の薄く汚れてしまいけり

ふゆぐもの うすくよごれて しまいけり
季語=冬雲
※寒い日の雲は、青空の中にあっても、寒そうに見えてしまう。
きょうもありがとうございます。

16日(水)

蔦枯れて絵空事にて秘密めく

つたかれて えそらごとにて ひみつめく
季語=枯れ蔦
※ツタ、フジ、アケビ、スイカズラなど落葉するつる性植物のこと。壁やフェンスなどにからまったまま枯れる。
きょうもありがとうございます。

15日(火)

今ひとつこらえきれずに寒くなる

いまひとつ こらえきれずに さむくなる
季語=寒さ
※1日中通して寒いのが冬。朝の寒さや夜の寒さを訴えるのは秋。
きょうもありがとうございます。

14日(月)

良いように突き放されて冬木立

いいように つきはなされて ふゆこだち
季語=冬木立
※冬景色の中の木々。落葉樹だけでなく常緑樹も含まれる。
きょうもありがとうございます。

13日(日)

公園に公衆電話落葉する

こうえんに こうしゅうでんわ おちばする
季語=落葉
※一面に落葉が散り敷く様はどんな木々でも風情があるものだが、街路樹などはわりと早い時期に枝ごと切り落とされる。
きょうもありがとうございます。

12日(土)

スリッパの弾力消える冬の朝

すりっぱの だんりょくきえる ふゆのあさ
季語=冬の朝
※冬の朝は寒さが一段と厳しいもの。
きょうもありがとうございます。

11日(金)

鈍痛のごとくにうねり冬眠す

どんつうのごとくに うねり とみんす
季語=冬眠
※冬眠する代表的な動物は、クマ、ヘビ、カエル、リスなど。
きょうもありがとうございます。

10日(木)

いろいろと炬燵の中に積もりおり

いろいろと こたつのなかに つもりおり
季語=炬燵
※一般的には電気こたつのこと。
きょうもありがとうございます。

9日(水)

辻褄の合わぬを合わす古暦

つじつまの あわぬをあわす ふるごよみ
季語=古暦
※来年のカレンダーに対して、今年のカレンダーのこと。毎年、数多の新年カレンダーが販売され、配られています。
きょうもありがとうございます。

8日(火)

十数えなだめすかして冬の水

とおかぞえ なだめすかして ふゆのみず
季語=冬の水
※池や湖など冬期の水は透明度が増す。何より静けさがある。水道の水もかなり冷たい。
きょうもありがとうございます。

7日(月)

心していっそ明るく冬紅葉

こころして いっそあかるく ふゆもみじ
季語=冬紅葉
※冬に見る紅葉。「残る紅葉」とも言いますが、ご近所のカエデモミジは今が見ごろみたい。
きょうもありがとうございます。

6日(日)

行き着いてみれば静かな十二月

いきついてみれば しずかな じゅうにがつ
季語=十二月
※1年最後の月。日に日に寒くなる。
きょうもありがとうございます。

5日(土)

あっていいものなくていいもの皆枯れる

あっていいもの なくていいもの みなかれる
季語=枯る
※冬となって草木が枯れること。風景として、または草や木一本一本にもいう。
きょうもありがとうございます。

4日(金)

はやばやとあるものだけで着ぶくれる

はやばやと あるものだけで きぶくれる
季語=着ぶくれ
※寒い日にもこもこと重ね着をすること。実際よりも丸く見える。
きょうもありがとうございます。

3日(木)

つらつらと動けば動く冬の月

つらつらと うごけばうごく ふゆのつき
季語=冬の月
※冬の月は青白い。満月から三日月まで、総じて冬ならではの冴えた印象、寒々とした印象を与える。
きょうもありがとうございます。

2日(水)

うっかりとまことしやかに時雨けり

うっかりと まことしやかに しぐれけり
季語=時雨
※初冬のころの冷たい通り雨で、基本的には降ったり止んだりを繰り返すものとされている。
きょうもありがとうございます。

1日(火)

短日の目鼻となりて笑いけり

たんじつの めはなとなりて わらいけり
季語=短日
※冬の1日は夕暮れが早い。1年で最も日が短いのは冬至(今年は12月21日)ですが、すでに十分に短い。
きょうもありがとうございます。