今日の俳句、こうのこうき
2021年1月
31日(日)
水仙花無駄骨という骨埋める
すいせんか むだぼねという ほねうめる季語=水仙花 ※スイセンのこと。ヒガンバナ科の多年草で、早いところでは12月には咲きはじめる。
30日(土)
冬川や流れに合わせつつましく
ふゆかわや ながれにあわせ つつましく季語=冬川 ※冬は渇水期にあたる。街中の川も水量が目立て細くなっている。 きょうもありがとうございます。
29日(金)
人間になれただろうか雪だるま
にんげんに なれただろうか ゆきだるま季語=雪達磨 ※雪のダルマさん。大小の雪玉を重ねてつくる。 きょうもありがとうございます。
28日(木)
ぞんざいにとけてすぼめて雪のおと
ぞんざいに とけてすぼめて ゆきのおと季語=雪 ※雪に対する感じ方は、地域差もあるが、年齢差も大きいようだ。 きょうもありがとうございます。
27日(水)
蝋梅の駆け引きめいてふと香る
ろうばいの かけひきめいて ふとかおる季語=蝋梅 ※蝋細工のように半透明で光沢がある黄色い花。目を引くようでいて、静かな花。梅の仲間ではなくロウバイ科の落葉低木。 きょうもありがとうございます。
26日(火)
心根を愛でるがごとく寒見舞
こころねを めでるがごとく かんみまい季語=寒見舞 ※年賀状を出さなかった替わりとして「寒中見舞」などのことばが使われる。それなりに便利。 きょうもありがとうございます。
25日(月)
忘却の葱の白さを切り分ける
ぼうきゃくの ねぎのしろさを きりわける季語=葱 ※ネギの本来の旬は冬。 きょうもありがとうございます。
24日(日)
寒中の鏡の中に甘えおり
かんちゅうの かがみのなかに あまえおり季語=寒中 ※寒入りから約30日、節分まで続く。 きょうもありがとうございます。
23日(土)
指先の語らう先に寒の雨
今年に入って初めての雨。
ゆびさきの かたらうさきに かんのあめ季語=寒の雨 ※寒中に降る雨。 きょうもありがとうございます。
22日(金)
飲み込んでふいのくしゃみも曖昧に
時節柄、人前でくしゃみも迂闊にできない。
のみこんで ふいのくしゃみも あいまいに季語=嚏(くしゃみ) ※冬の季語。外と室内の寒暖差など、冷たい空気にふれると出やすい。 きょうもありがとうございます。
21日(木)
たぶんきっとそれでもめげず枯尾花
たぶんきっと それでもめげず かれおばな季語=枯尾花 ※枯れたススキ。枯れた穂がまだ枯れていないかのごとく風になびく。 きょうもありがとうございます。
20日(水)
大寒や二つに割れてとばっちり
今日から大寒
だいかんや ふたつにわれて とばっちり季語=大寒 ※一年で最も寒いとされる約15日間のこと。二十四節気のひとつ。 きょうもありがとうございます。
19日(火)
実南天とにもかくにも笑いけり
みなんてん とにもかくにも わらいけり季語=実南天 ※赤い実。縁起のよい木として、古くから庭木として人気がある。 きょうもありがとうございます。
18日(月)
中心に静かに沈め寒卵
ちゅうしんに しずかにしずめ かんたまご季語=寒卵 ※寒中に出回る鶏の玉子。とくに栄養豊富とされ、その昔は今では想像できないくらい貴重だったという。 きょうもありがとうございます。
17日(日)
立ち止まる頭がしっぽ冬深む
たちどまる あたかがしっぽ ふゆふかむ季語=冬深む ※まさに真冬という感じ。まもなく大寒。 きょうもありがとうございます。
16日(土)
寒晴れや眠気ひとつを持ち帰り
かんばれや ねむけひとつを もちかえり季語=寒晴れ ※寒中の晴間。寒いだけに、空は澄んで見える。 きょうもありがとうございます。
15日(金)
寒雲の満ちて未来ということば
かんうんの みちて みらいということば季語=寒雲 ※寒中の雲。晴れの日もあれば、くもりの日もある。 きょうもありがとうございます。
14日(木)
開け閉めの回りくどさよ冬うらら
あけしめの まわりくどさよ ふゆうらら季語=冬麗 ※春のような麗かな日。寒いがすっきりと晴れて心地よい。 きょうもありがとうございます。
13日(水)
冬草のじっとしている青さかな
ふゆくさの じっとしている あおさかな季語=冬草 ※冬枯れの中にあって、青々とした草、わずかに枯れ残る草など。 きょうもありがとうございます。
12日(火)
手袋の指先かるく冷えており
てぶくろの ゆびさきかるく ひえており季語=手袋 ※手袋にもいろいろな用途・種類がありますが、一般的には防寒のためのものなので冬の季語となっています。 きょうもありがとうございます。
11日(月)
着ぶくれて人の好さとも悪さとも
きぶくれて ひとのよさとも わるさとも季語=着ぶくれ ※防寒のために重ね着をすること。ふっくらと丸みをおびる。 きょうもありがとうございます。
10日(日)
すっぽりと抜けて青空寒椿
すっぽりとぬけて あおぞら かんつばき季語=寒椿 ※寒中に咲いているから寒椿、もしくは冬椿という。早咲きの椿のことで、特定の品種名(ツバキとサザンカの交雑種)を指しているわけではありません。 きょうもありがとうございます。
9日(土)
底冷えやいつの間にやら眠りこけ
そこびえや いつのまにやら ねむりこけ季語=底冷え ※身体の芯まで冷えるような寒さのこと。 きょうもありがとうございます。
8日(金)
うっすらと真面目くさりて寒の水
うっすらと まじめくさりて かんのみず季語=寒の水 ※寒中の水のこと。この時期の水は清く澄んでいることから、古くは薬のような効力があると信じられていたとか。酒造りに用いたりする。 きょうもありがとうございます。
7日(木)
本棚に押し込む欲に寒波来る
ほんだなに おしこむよくに かんぱくる季語=寒波来る ※厳しい寒さが何度も押し寄せることから寒波という。寒気団は大陸からやってくるため、日本海側では雪となる。太平洋側も寒い。 きょうもありがとうございます。
6日(水)
もどかしさ七種粥はつやつやかに
もどかしさ ななくさがゆは つやつやかに季語=七種粥 ※正月七日(七種の日)に七種類の若菜を使った粥を食べる。平安時代からの習わしで、1年の無病息災を願う。 きょうもありがとうございます。
5日(火)
寒すずめ単純明快天仰ぐ
かんすずめ たんじゅんめいかい てんあおぐ季語=寒雀 ※寒中のスズメのこと。スズメは寒さを防ぐために自らの羽毛に空気をためる。ゆえに冬場は身体が丸く見える。 きょうもありがとうございます。
4日(月)
きっちりと蓋して仕事始めかな
きっちりと ふたして しごとはじめかな季語=仕事始め ※新年になって初めて仕事をすること。 きょうもありがとうございます。
3日(日)
初夢も取っ散らかってしまいけり
はつゆめも とっちらかって しまいけり季語=初夢 ※新年最初に見る夢。縁起のよい夢ならば、その年は良いことがたくさん訪れるといわれています。 きょうもありがとうございます。
2日(土)
葉牡丹やいつもと違う夢を見る
はぼたんや いつもとちがう ゆめをみる季語=葉牡丹 ※古くから新年の花として重宝される。正しくは花ではなく、観賞用として改良された、丸くならないキャベツの仲間。 きょうもありがとうございます。
1日(金)
とりあえず餅煮て食べて年新た
穏やかな一年でありますように。
とりあえず もちにてたべて としあらた季語=年新た ※新年のこと。明けましておめでとうございます!2021年もどうぞよろしくお願いいたします。