• 俳句ストック(シヲクム)

今日の俳句、こうのこうき

2021年2月

28日(日)

欲張れば欲張りすぎて二月尽

よくばれば よくばりすぎて にがつじん
季語=二月尽
※前半はほぼ冬である早春の2月が終ること。3月は仲春にあたる。
きょうもありがとうございます。

27日(土)

ありきたり過ぎてぐるりと春北風

ありきたりすぎて ぐるりと はるならい
季語=春北風
※春に吹く北風のこと。ときに身震いするほどの寒さを感じる。
きょうもありがとうございます。

26日(金)

今ひとつ脈絡のなく暮れかねる

いまひとつ みゃくらくのなく くれかねる
季語=暮れかねる
※すっかり日暮れまでの時間が長くなりました。「遅日」の傍題。
きょうもありがとうございます。

25日(木)

現実が先回りして春愁い

げんじつが さきまわりして はるうれい
季語=春愁い
※春愁(しゅんしゅう)のこと。春となってなんとなく感じる気だるさのようなもの。
きょうもありがとうございます。

24日(水)

ぶつぶつと言いて耳から寒戻る

ぶつぶつと いいてみみから かんもどる
季語=寒戻る
※冴え返ると同じ。春の陽気から一転冬の寒さが戻ること。
きょうもありがとうございます。

23日(火)

「ありがとう」などと言い添え春の風

「ありがとう」などと いいそえ はるのかぜ
季語=春の風
※優しい風も強い風も含めて、春に吹く風のこと。
きょうもありがとうございます。

22日(月)

穏やかに並びて晴れて蕗の薹

おだやかに ならびてはれて ふきのとう
季語=蕗の薹
※フキの花茎。開花前のやわらかいものを摘み取り、蕗味噌や天ぷらなどにして食す。春を告げる味覚として古くから親しまれている。
きょうもありがとうございます。

21日(日)

ものの芽や世の中いつも忙しなく

もののめや よのなかいつも せわしなく
季語=ものの芽
※木の芽、草の芽のこと。名前の知られたものではなく、むしろ何の花の芽かわからないものにいう。
きょうもありがとうございます。

20日(土)

まんさくや青いバケツにざっくりと

まんさくや あおいばけつに ざっくしりと
季語=金縷梅
※春まだ浅いころに咲く黄色い小花。紙ひもをねじったような細い花びらが特徴で、枝いっぱいに咲き続ける。洋風な赤い花もある。
きょうもありがとうございます。

19日(金)

春光やポテトチップス買いに行く

しゅんこうや ポテトチップス かいにゆく
季語=春光
※明るい春の日差し。春の景色を指すことも。
きょうもありがとうございます。

18日(木)

噛みしめる拠り所なく冴え返る

かみしめる よりどころなく さえかえる
季語=冴え返る
※春、冬の寒さが戻ってくること。いったん暖かい気候になれると、これまでの寒さが急に耐え難く感じるもの。
きょうもありがとうございます。

17日(水)

梅満開へそのあたりの痒くなる

うめまんかい へそのあたりの かゆくなる
季語=梅
※単に梅という場合は、花の白い梅を指します。
きょうもありがとうございます。

16日(火)

菜の花や黄色はわりと夢見がち

なのはなや きいろはわりと ゆめみがち
季語=菜の花
※菜種油を採取するなど古くから栽培されてきた油菜の花のこと。一面の菜の花畑は観光スポットにもなっている。
きょうもありがとうございます。

15日(月)

願い事ひとまず忘れ春の雨

ねがいごと ひとまずわすれ はるのあめ
季語=春の雨
※優しい雨も、さみしい雨も、その他の雨も、春に降るなら春の雨。
きょうもありがとうございます。

14日(日)

早春や頭の中を軽くする

そうしゅんや あたまのなかを かるくする
季語=早春
※寒さの残る春のはじめのころ。2月いっぱいをいう。
きょうもありがとうございます。

13日(土)

美しく開き直りし黄水仙

うつくしく ひらきなおりし きずいせん
季語=黄水仙
※鮮やかな黄色い花を咲かせる春咲きのスイセンの一種。スイセンの中で最も香りがよいとされています。
きょうもありがとうございます。

12日(金)

かゆいとこありて届かぬ二月かな

かゆいとこありて とどかぬ にがつかな
季語=二月
※冬から春へと移り変わるひと月だが、寒さはさして緩まない。
きょうもありがとうございます。

11日(木)

日だまりに飛ぶを忘れて春の蠅

ひだまりに とぶをわすれて はるのはえ
季語=春の蠅
※暖かくなると嫌でも目にするようになる。
きょうもありがとうございます。

10日(水)

止められぬことのいろいろ梅白し

やめられぬことの いろいろ うめしろし
季語=白梅
※花の白い梅のこと。
きょうもありがとうございます。

9日(火)

うっかりと踏んづけちゃった春の雲

うっかりと ふんづけちゃった はるのくも
季語=春の雲
※春の雲、どこかあいまいで、ふんわりとしたイメージがある。
きょうもありがとうございます。

8日(月)

春寒や返事はあえて短めに

はるさむや へんじはあえて みじかめに
季語=春寒
※立春後の寒さのことで、春になったけれどまだ寒いなぁ~といったニュアンスです。
きょうもありがとうございます。

7日(日)

紅梅や旅するごとくすれ違う

こうばいや たびするごとく すれちがう
季語=紅梅
※紅色のウメのこと。淡いピンク色のウメは薄紅梅という。一般的に白梅よりもわずかに開花時期が遅いといわれています。
きょうもありがとうございます。

6日(土)

ずけずけと物言う口や水菜食う

ずけずけと ものいうくちや みずなくう
季語=水菜
※ 京菜とも呼ばれます。サラダや漬物、煮物にします。家庭でもプランターや水耕栽培でわりと手軽に栽培できるらしい。
きょうもありがとうございます。

5日(金)

そこそこのほどよき距離に梅の花

そこそこの ほどよききょりに うめのはな
季語=梅
※ウメは近くで愛でる花。香りもよいしね。
きょうもありがとうございます。

4日(木)

正解はしばしお預け春一番

せいかいは しばしおあずけ はるいちばん
季語=春一番
※立春後に吹く最初の南風。春を呼ぶ風として毎年話題になるが、ことばの響きとは裏腹に優しい風ではなく強風です。
きょうもありがとうございます。

3日(水)

つんとして日々それぞれの春となる

つんとして ひびそれぞれの はるとなる
季語=春となる
※立春のこと。暦の上では春の始まりの日であり、旧暦ではまさに一年の始まりの日でした。そこかしこに春の兆しを感じます。
きょうもありがとうございます。

2日(火)

節分や真面目くさりて豆を食う

124年ぶりに、2月2日が節分となった日。

せつぶんや まじめくさりて まめをくう
季語=節分
※立春の前夜であり、冬と春の境い目にあたる。冬の季語。古くから豆をまくなどして邪気を払う日とされる。まいた豆を拾って、1年の無病息災を祈りながら、自分の年齢分を食べる習わしもある。
きょうもありがとうございます。

1日(月)

春隣りラジオ体操全力で

はるとなり らじおたいそう ぜんりょくで
季語=春隣り
※春が近いこと。冬の季語で、俳句では立春後には使わないことば。読みは「はるとなり」でも「はるどなり」でもどちらでも良いようです。
きょうもありがとうございます。