• 俳句ストック(シヲクム)

今日の俳句、こうのこうき

2021年3月

31日(水)

よろこびを担うよろこびチューリップ

よろこびを になうよろこび ちゅーりっぷ
季語=チューリップ
※春の花壇を彩る花として根強い人気がある。色も豊富。
きょうもありがとうございます。

30日(火)

未来とは後出しじゃんけん飛花落花

みらいとは あとだしじゃんけん ひからっか
季語=落花
※サクラの舞い散る様子、もしくは地上に散り敷いた花びらのこと。飛花はとくに舞う花びらに重点を置いた季語で、落花の傍題。
きょうもありがとうございます。

29日(月)

ことごとく素顔を知らず春暑し

ことごとく すがおをしらず はるあつし
季語=春暑し
※春とは思えないような暑い日のこと。装いは春先だけに上着などがひどく邪魔に感じる。
きょうもありがとうございます。

28日(日)

スノーフレーク逃れる術のなく咲けり

スノーフレーク のがれるすべのなく さけり
季語=スノーフレーク
※鈴蘭に似た白い花で、下向きに咲く。花びらの先にある緑色のはん点が目印。
きょうもありがとうございます。

27日(土)

夕方は惰性となりて花蘇芳

ゆうがたは だせいとなりて はなずおう
季語=花蘇芳
※葉の出る前に、明るい紅紫色の花だけを枝先にびっしりと付ける。かなり特徴的で目立つ。
きょうもありがとうございます。

26日(金)

磨かれてくすぶる所以エリカ咲く

みがかれて くすぶるゆえん えりかさく
季語=エリカ
※ピンク色の小さな花を無数に付ける。庭植えされているのは蛇の目エリカと呼ばれる品種で、花から飛び出る黒い葯(やく)が特徴的。
きょうもありがとうございます。

25日(木)

持て余し気味も明るく花海棠

もてあましぎみも あかるく はなかいどう
季語=花海棠
※バラ科の落葉低木で、同じバラ科のサクラに雰囲気が似ている。花の柄の長さが特徴的。
きょうもありがとうございます。

24日(水)

気づかねば気づかぬままや楓咲く

きづかねば きづかぬままや かえでさく
季語=楓の花
※もみじの代表格カエデの花。小さな赤い花が、細い枝に無数にぶら下がる。よくよく見ないと花なのか何なのかかわらない。
きょうもありがとうございます。

23日(火)

ありがちな日々や見上げる春の月

ありがちなひびや みあげる はるのつき
季語=春の月
※春の月は朧(おぼろ)なるを愛でると古くからいわれています。朧とは霞と同じ現象。いわゆる夜の呼び名。
きょうもありがとうございます。

22日(月)

もどかしさ含みて花の雨となる

もどかしさ ふくみてはなの あめとなる
季語=花の雨
※サクラの咲くころに降る雨をいう。花とはサクラのこと。
きょうもありがとうございます。

21日(日)

連翹や明るく緩く悲しまず

れんぎょうや あかるくゆるく かなしまず
季語=連翹
※奔放に伸びる細い枝に黄金色の花を無数に付ける。庭や垣根、公園などにも植えられている。
きょうもありがとうございます。

20日(土)

すみれ咲き頭の中を二往復

すみれさき あたまのなかを におうふく
季語=菫
※日当りの良い場所に咲く、都会でもわりと身近な花。
きょうもありがとうございます。

19日(金)

泣き言はつどつど忘れさくら咲く

なきごとは つどつどわすれ さくらさく
季語=桜
※花見のサクラといえばソメイヨシノですが、じつはざっと100以上の品種があるのだとか。
きょうもありがとうございます。

18日(木)

三椏の花は浮かれずありのまま

みつまたの はなはうかれず ありのまま
季語=三椏の花
※枝の先端に黄色い蜂の巣状の花(小花の集合体)をうつむき加減に付けます。おもしろいことにその枝は必ず3つに分かれています。庭木や切り花として見かけます。
きょうもありがとうございます。

17日(水)

寂しさの綻びとして雪柳

さみしさの ほころびとして ゆきやなぎ
季語=雪柳
※バラ科の真っ白な小花で、満開ともなると雪が降り積もったかのように見える。花をいっぱいに付けた長い枝は風によく揺れます。
きょうもありがとうございます。

16日(火)

言いにくきことあり春の星あれこれ

いいにくき ことありはるの ほしあれこれ
季語=春の星
※春といえばおぼろ。星もやさしく瞬く。
きょうもありがとうございます。

15日(月)

もやもやの溶けてますます花ミモザ

もやもやのとけて ますます はなみもざ
季語=ミモザ
※アカシアの一種で銀葉アカシアの名で知られています。明るい黄色い球状の花が枝いっぱいに咲く。おしゃれな庭木として人気があります。
きょうもありがとうございます。

14日(日)

喜怒哀楽つかめぬ日々を紫木蓮

きどあいらく つかめぬひびを しもくれん
季語=紫木蓮
※紫色のモクレン。葉に先立ち、チューリップに似た花が天に向かって開く。モクレン類は地球上でもっとも古い花木といわれています。
きょうもありがとうございます。

13日(土)

隙間なく打ちのめされて春嵐

すきまなく うちのめされて はるあらし
季語=春嵐
※春先の暴風。台風のような大雨に見舞われることも多い。
きょうもありがとうございます。

12日(金)

分からなくなりてむらさきはななかな

わからなく なりて むらさきはななかな
季語=むらさきはなな
※アブラナ科の紫色の四弁花、諸葛采(しょかつさい)の別名。もともとは観賞用の花でしたが、道端や土手などにもよく生えています。大根の花に似ているのでハナダイコンとも呼ばれます。
きょうもありがとうございます。

11日(木)

引き出しの虚実は春に入り混じる

ひきだしの きょじつははるに いりまじる
季語=春
きょうもありがとうございます。

10日(水)

春昼の自由不自由ふて寝する

しゅんちゅうの じゆうふじゆう ふてねする
季語=春昼
※春の昼は、日差しが明るく、のどかな雰囲気に包まれる。反面、かすかな気だるさもある。
きょうもありがとうございます。

9日(火)

木瓜咲くや頭の中の忙しく

ぼけさくや あたまのなかの いそがしく
季語=木瓜の花
※花色はいろいろありますが、ボケの花といえば真っ赤な花色が浮かびます。梅に似た花で枝に棘があります。バラ科。
きょうもありがとうございます。

8日(月)

八つ当たり気味にときどき落ち椿

やつあたりぎみに ときどき おちつばき
季語=落ち椿
※椿は花びらを散らすことなく、花ごとぽとりと落ちます。
きょうもありがとうございます。

7日(日)

はきはきとしゃべるが得と辛夷咲く

はきはきと しゃべるがとくと こぶしさく
季語=辛夷
※美しい純白の花。コブシも春を告げる花として古来より親しまれています。
きょうもありがとうございます。

6日(土)

沈丁花無駄は承知と応えけり

じんちょうげ むだはしょうちと こたえけり
季語=沈丁花
※香りのよさで知られる花。庭や生け垣などに好んで植えられる。
きょうもありがとうございます。

5日(金)

春キャベツふいに明るき響きかな

はるきゃべつ ふいにあかるき ひびきかな
季語=春キャベツ
※他の季節のキャベツよりも葉がやわらかく瑞々しい。3月頃から市場に出回る。
きょうもありがとうございます。

4日(木)

見上げればばかというばかさくら咲く

みあげれば ばかというばか さくらさく
季語=桜
※3月上旬ごろに咲くカンヒザクラ系は鮮やかなピンク色で、庭木として好まれます。満開のようでした。ソメイヨシノはもう少し先。
きょうもありがとうございます。

3日(水)

さんしゅゆの花育ちの良さのにじみ出て

さんしゅゆのはな そだちのよさの にじみでて
季語=山茱萸の花
※葉より先に黄色い小さな花が球状に咲く。満開ともなると木全体が黄金色に見えることから、別名「春黄金花(はるこがねばな)」という。
きょうもありがとうございます。

2日(火)

目に映るものみなすべて春嵐

めにうつるもの みなすべて はるあらし
季語=春嵐
※春の強風のことで、雨を伴うことが多い。
きょうもありがとうございます。

1日(月)

闇雲に逃げてざらつく春の夢

やみくもに にげてざらつく はるのゆめ
季語=春の夢
※春の夜に見る夢。「春の夜の夢のごとし」という通り、はかないもののたとえとされる。
きょうもありがとうございます。