今日の俳句、こうのこうき
2021年4月
30日(金)
四月尽とにもかくにも晴れやかに
しがつじん とにもかくにも はれやかに季語=四月尽 ※4月が終わること。5月から暦上の初夏となる。 きょうもありがとうございます。
29日(木)
言い掛けて飲み込むしぐさ昭和の日
いいかけて のみこむしぐさ しょうわのひ季語=昭和の日 ※国民の祝日。昭和天皇の誕生日だった日。2007(平成19)年より「昭和の日」と改めた。 きょうもありがとうございます。
28日(水)
躑躅満開頭の中が忙しい
つつじまんかい あたまのなかが いそがしい季語=躑躅 ※庭園や街路に晩春から初夏にかけて彩りを添える花。紅、白、紫、黄色など花色も種類も豊富。 きょうもありがとうございます。
27日(火)
思い出を紡ぐ思い出春惜しむ
おもいでを つむぐおもいで はるおしむ季語=春惜しむ ※過ぎ行く春を残念に思う気持ちをいう。とはいえ、晩春と初夏の季節感は案外あいまいで、様々な花に溢れる現代は、5月を初夏ではなく晩春と認識している人の方が大多数かも。 きょうもありがとうございます。
26日(月)
夏近し切れぬものにて切りし傷
なつちかし きれぬものにて きりしきず季語=夏近し ※もう夏が近いと実感すること。たとえば、明るい日ざしに木々の緑が輝いて見える。 きょうもありがとうございます。
25日(日)
こでまりややけに呑気な笑い声
こでまりや やけにのんきな わらいごえ季語=こでまり ※小手毬の花。バラ科の白い小花で、半円状の花房を細い枝いっぱいに付ける。優美な姿から庭木として人気がある。 きょうもありがとうございます。
24日(土)
ギブ&ギブとはいかに竹の秋
ギブ アンド ギブとはいかに たけのあき季語=竹の秋 ※地下茎を通じて竹の子に栄養分を与えるため、春の竹は葉が枯れたように黄色くなる。この現象を竹の秋と表現する。 きょうもありがとうございます。
23日(金)
ふらここや笑うが勝ちと力込め
ふらここや わらうがかちと ちからこめ季語=ふらここ ※ブランコのこと。春の季語。 きょうもありがとうございます。
22日(木)
見た目とか見た目じゃないとか春深し
みためとか みためじゃないとか はるふかし季語=春深し ※初夏の花もちらほらと咲きはじめ、春も盛りを過ぎたなぁと感じるころをいう。 きょうもありがとうございます。
21日(水)
大げさに突き出す何か春暑し
おおげさに つきだすなにか はるあつし季語=春暑し ※日中は夏日のようでも朝夕との気温差が激しい。 きょうもありがとうございます。
20日(火)
たんぽぽとたんぽぽの絮ひと蹴りに
たんぽぽと たんぽぽのわた ひとけりに季語=蒲公英の絮 ※白い綿毛の付いたタンポポの種子。軽く触れただけでも、ふわりと風に乗って飛んで行く。 きょうもありがとうございます。
19日(月)
初蝶や折り目正しく低くあり
はつちょうや おりめただしく ひくくあり季語=初蝶 ※蝶は春の季語。この春はじめて見る蝶を初蝶という。 きょうもありがとうございます。
18日(日)
腐るかに見えて腐らず朝寝する
くさるかにみえて くさらず あさねする季語=朝寝 ※春の日の寝坊のこと。寝坊など季節問わずのことのようにも思うが、春の朝の心地よさゆえということで春の季語となっている。 きょうもありがとうございます。
17日(土)
あるがままあればあったで春炬燵
あるがまま あればあったで はるごたつ季語=春炬燵 ※春になっても出したままのコタツ。ぶり返す寒さに、一度しまったコタツを再度出すことも。 きょうもありがとうございます。
16日(金)
憐みの深さと軽さシクラメン
あわれみの ふかさとかるさ シクラメン季語=シクラメン ※冬ごろ鉢植えなどで販売される花ですが、本来は春の花。炎のようにも見える花がおもしろい。 きょうもありがとうございます。
15日(木)
アスパラガスあればあったで鮮やかに
アスパラガス あればあったで あざやかに季語=アスパラガス ※今が旬。食用するのは、緑または白の若い茎部分。 きょうもありがとうございます。
14日(水)
苧環や年々雨のうとましく
おだまきや ねんねんあめの うとましく季語=苧環 ※スイセンに似た形の紫色の花。キンポウゲ科の多年草で、うつむくように咲く。観賞用として花壇などに植えられる。 きょうもありがとうございます。
13日(火)
藤咲くや極論のちに古びゆく
ふじさくや きょくろんのちに ふるびゆく季語=藤 ※マメ科のつる性植物で、優美な花房を垂れる。庭園などで古来から親しまれてきた、日本情緒あふれる花木。 きょうもありがとうございます。
12日(月)
原点というものありし郁子の花
げんてんと いうものありし むべのはな季語=郁子の花 ※アケビ科のつる性植物。常緑葉のためフェンスやアーチにからませたりする。ベル型をした白緑色の花でほとんど目立たない。 きょうもありがとうございます。
11日(日)
バカらしくなりて単純桜草
ばからしくなりて たんじゅん さくらそう季語=桜草 ※サクラの花に似ているのでこの名がある。プリムラと呼ばれるものは園芸種の西洋桜草。 きょうもありがとうございます。
10日(土)
青空に手を振るあした花水木
あおぞらに てをふるあした はなみずき季語=花水木 ※アメリカ原産でアメリカ山法師ともいう。ピンクまたは白い花のように見える苞を大きく開く。街路樹や庭木として人気が高い。 きょうもありがとうございます。
9日(金)
過去未来重ね合わせてさくら八重
かこみらい かさねあわせて さくらやえ季語=八重桜 ※八重咲きのサクラ。他のサクラに比べ開花時期がもっとも遅い。 きょうもありがとうございます。
8日(木)
ゆっくりと諦め四月前を向く
ゆっくりと あきらめしがつ まえをむく季語=四月 ※春たけなわ、百花咲き乱れる月。新年度が始まる月でもある。 きょうもありがとうございます。
7日(水)
安寧を祈り山吹豊かなり
あんねいをいのり やまぶき ゆたかなり季語=山吹 ※よくしなる緑色の細い枝に鮮やかな黄色い花を付ける。バラ科の花で、山吹色の語源。 きょうもありがとうございます。
6日(火)
満天星や欲ばり過ぎてふと淋し
どうだんや よくばりすぎて ふとさみし季語=満天星 ※ドウダンツツジのこと。細かく密集した枝に、新緑と共にスズランのような白い小花をたくさんぶら下げる。 きょうもありがとうございます。
5日(月)
それはそれこれはこれにて桜蘂降る
それはそれ これはこれにて さくらしべふる季語=桜蘂降る ※サクラの花が散った後、地面が赤く染まることがある。ガクに残った赤いしべが降り積もったもので、花びらとは違う趣がある。 きょうもありがとうございます。
4日(日)
どうにでもなるようなこと躑躅咲く
どうにでも なるようなこと つつじさく季語=躑躅 ※春から夏にかけて日本中の山野に自生する。園芸種も豊富で、各地にツツジの名所がある。今年は開花がずいぶん早い。 きょうもありがとうございます。
3日(土)
すり切れた肌着のごとく水温む
すりきれた はだぎのごとく みずぬるむ季語=水温む ※春になり水が温んでくること。川や沼、池などの水から生活用水も含む。まさに蛇口をひねれば実感できる。 きょうもありがとうございます。
2日(金)
雨雲を眺めてあくび花の塵
あまぐもを ながめてあくび はなのちり季語=花の塵 ※地上に散り敷いたサクラの花びらのこと。花屑ともいう。 きょうもありがとうございます。
1日(木)
蒲公英や微笑ましくもあり虚ろ
たんぽぽや ほほえましくもあり うつろ季語=蒲公英 ※春の道端の花といえばタンポポだろう。 きょうもありがとうございます。