今日の俳句、こうのこうき
2021年5月
31日(月)
悪びれず空まったりと更衣
わるびれす そらまったりと ころもがえ季語=更衣 ※季節ごとに行うことだが、俳句では春服から夏服へと替わることをいう。早ければ5月中旬あたりから6月にかけて行われる。 きょうもありがとうございます。
30日(日)
切り替えてしまえば気楽風薫る
きりかえてしまえば きらく かぜかおる季語=風薫る ※青葉若葉の季節に吹く南風のこと。 きょうもありがとうございます。
29日(土)
それらしく見えればよくてアマリリス
それらしく みえればよくて あまりりす季語=アマリリス ※ユリによく似た赤色の花。南アフリカ原産のヒガンバナの仲間で、江戸時代後期にはすでに到来していたという。現在では品種改良により様々な色がある。 きょうもありがとうございます。
28日(金)
ぶらぶらと理由はなくも柏餅
ぶらぶらと りゆうはなくも かしわもち季語=柏餅 ※柏の葉に包んだ和菓子。端午の節句のときに用意されるので5月の季語となっている。 きょうもありがとうございます。
27日(木)
南天の寝息たしかに花こぼれ
なんてんの ねいきたしかに はなこぼれ季語=南天の花 ※白い小さな花で南天の実と同じように密集して咲く。ただし、地味で目立たない。 きょうもありがとうございます。
26日(水)
泰山木空を遠くに余らせて
たいざんぼく そらをとおくに あまらせて季語=泰山木の花 ※大きな木に盃形の大きな白い花を付ける。高所に上向きに咲くため、真下からでは全形を見ることができない。今どきの住宅事情からか、高木とならない種類もあるようだ。 きょうもありがとうございます。
25日(火)
青梅や見上げてみてもただ空疎
あおうめや みあげてみても ただくうそ季語=青梅 ※ウメの実は初め青く熟すほどに黄色くなる。青梅の頃は若葉にまぎれて気づかないことが多い。 きょうもありがとうございます。
24日(月)
どくだみや花の白さをあきらめず
どくだみや はなのしろさを あきらめず季語=どくだみ ※梅雨時に咲く白い清楚な花。独特の臭気があり所かまわず群生するが、別名を十薬といい、古くから利用されてきた生薬のひとつ。 きょうもありがとうございます。
23日(日)
苛立ちのいろいろ万緑に腐す
いらだちの いろいろ ばんりょくにくさす季語=万緑 ※どこを見ても草木の緑が溢れていること。日々緑が深くなる。 きょうもありがとうございます。
22日(土)
優しさというもの初夏に掛け違う
やさしさというもの しょかに かえちがう季語=初夏 ※夏を初夏・仲夏・晩夏の3つに分けた初めの約1か月で、新暦5月にあたる。本来であれば梅雨入り前のとても過ごしやすい季節。 きょうもありがとうございます。
21日(金)
鋭角に顔を覗かせ今年竹
えいかくに かおをのぞかせ ことしだけ季語=今年竹 ※若竹のこと。あっという間に成長するが、青々とした姿からすぐに見分けがつく。 きょうもありがとうございます。
20日(木)
五月闇白く濁りし鏡かな
さつきやみ しろくにごりし かがみかな季語=五月闇 ※五月雨の降り続く頃の暗さをいう。一面の雨雲によって昼は太陽を隠し、夜は月を隠す。 きょうもありがとうございます。
19日(水)
柿若葉雨のすき間を駆けて来て
かきわかば あめのすきまを かけてきて季語=柿若葉 ※柿若葉は、つやのある萌黄色。日があればなお美しいが、曇天でも十分に明るい葉色をしている。 きょうもありがとうございます。
18日(火)
紫陽花咲くやとにもかくにも空見上げ
あじさいさくや とにもかくにも そらみあげ季語=紫陽花 ※梅雨時に咲く花(実際は夏の間も咲いている)。様々な花色があるが、アジサイといえば青紫の花色が思い浮かぶ。 きょうもありがとうございます。
17日(月)
走り梅雨喉を鳴らして水を飲む
はしりづゆ のどをならして みずをのむ季語=走り梅雨 ※本格的な梅雨入り前の梅雨のような雨のこと。 きょうもありがとうございます。
16日(日)
見たものを見たままなりに薊咲く
みたものを みたままなりに あざみさく季語=薊 ※化粧に使う刷毛のような形の紫色の花。晩春から秋にかけて、数多くの種類のアザミが咲く。街中でよく見るのは夏に咲くアザミ。 きょうもありがとうございます。
15日(土)
あっさりと名前も忘れ薄暑かな
あっさりと なまえもわすれ はくしょかな季語=薄暑 ※汗ばむような初夏の暑さのこと。 きょうもありがとうございます。
14日(金)
辻褄を合わせるように夏兆す
つじつまを あわせるように なつきざす季語=夏兆す ※気候や風景など様々な事象が夏らしくなること。夏めくの傍題。 きょうもありがとうございます。
13日(木)
線引きはひと先ずあずけ五月かな
せんびきは ひとまずあずけ ごがつかな季語=五月 ※新緑の美しい月。暦の上では初夏にあたる。 きょうもありがとうございます。
12日(水)
ちょっとした相違あまねく青葉若葉
ちょっとしたそうい あまねく あおばわかば季語=青葉 ※青葉は緑の深まった新葉、若葉も意味は同じだがより新鮮な感じ。どちらもこの時期の季語。 きょうもありがとうございます。
11日(火)
すずらんのかすかな影を数えけり
すずらんの かすかなかげを かぞえけり季語=鈴蘭 ※ユリ科の多年草で、香りがよい。葉のわきにベル型の小さな白い花を複数連ねるように咲く。別名を君影草という。 きょうもありがとうございます。
10日(月)
空白のつまらぬ理由薔薇に風
くうはくの つまらぬりゆう ばらにかぜ季語=薔薇 ※バラの花の最盛期は初夏。種類も花色も多種多様。 きょうもありがとうございます。
9日(日)
幸せというをなぞりてカラー咲く
しあわせというを なぞりて からーさく季語=カラー ※上向きにラッパ状に開く純白の仏炎苞が印象的な花。南アフリカ原産で、幕末に渡来したという。切り花として好まれるが、街中では鉢植えなども見かける。 きょうもありがとうございます。
8日(土)
かたまっているけど平気姫女苑
かたまっているけど へいき ひめじょおん季語=姫女苑 ※キクに似た白い小花で、道端でよく見る野草のひとつ。いかにも気高い感じの名前ですが、雑草のたいぐです。 きょうもありがとうございます。
7日(金)
不都合をよけてかたばみ咲きにけり
ふつごうを よけてかたばみ さきにけり季語=酢漿草 ※路傍に咲く黄色い小花。クローバーと混同されるハート型の三つ葉が可愛らしい。 きょうもありがとうございます。
6日(木)
虞美人草物分かりよく並びけり
ぐびじんそう ものわかりよく ならびけり季語=虞美人草 ※ヒナゲシの別名。江戸時代に渡来したヨーロッパ原産の花。アヘンを含むケシの花とは別種のもので、そちこちの道端に咲く身近な花です。 きょうもありがとうございます。
5日(水)
妙なことこだわる大人子供の日
みょうなこと こだわるおとな こどものひ季語=子供の日 ※昭和23年から始まった国民の祝日の一つ。 きょうもありがとうございます。
4日(火)
新緑のこの道筋を折り返す
しんりょくの このみちすじを おりかえす季語=新緑 ※木々の瑞々しい葉のこと。若葉とほぼ同じ。夏に向けて緑が深まる。 きょうもありがとうございます。
3日(月)
蛙かなだから何だと真顔にて
かわずかな だからなんだと まがおにて季語=蛙 ※カエルの多くは晩春が繁殖期にあたりよく鳴く。 きょうもありがとうございます。
2日(日)
薔薇咲いて人に優しくせよという
ばらさいて ひとにやさしくせよ という季語=薔薇 ※園芸花の中でも特に洗練された華やかさがあり、古くから花の女王と呼ばれている。そこかしこの庭で咲いている。 きょうもありがとうございます。
1日(土)
葉桜や回りくどさもあるがまま
はざくらや わまりくどさも あるがまま季語=葉桜 ※サクラの花も終わり、青々とした若葉を茂らせること。 きょうもありがとうございます。