• 俳句ストック(シヲクム)

今日の俳句、こうのこうき

2021年6月

30日(水)

夏越かな不信心とてひと通り

なごしかな ふしんじんとて ひととおり
季語=夏越
※神社に特設させた茅の輪をくぐるなどして半年間の穢れを清める。神事のひとつで、くぐり方にも手順がある。新暦の6月30日前後に行うところが多い。
きょうもありがとうございます。

29日(火)

氷菓にて夕日に溶けてしまいけり

ひょうかにて ゆうひにとけて しまいけり
季語=氷菓
※シャーベットやアイスキャンディーなどのこと。または、アイスクリームを含む氷菓子の総称。
きょうもありがとうございます。

28日(月)

蟻眺めらしさというを咀嚼する

ありながめ らしさというを そしゃくする
季語=蟻
※地下などに巣をつくり、女王アリを中心に多くの雄アリと働きアリが集団で活動する。ふだん目にしているのは働きアリ。
きょうもありがとうございます。

27日(日)

ビールにて変らずというほろ苦さ

びーるにて かわらずという ほろにがさ
季語=ビール
※一年中飲まれるものだが、暑い夏に好まれるイメージから夏の季語となっている。
きょうもありがとうございます。

26日(土)

青萩や見なれたものとして過ごす

あおはぎや みなれたものとして すごす
季語=青萩
※青々と茂る萩のこと。花は秋。夏に花を付けるものもある(夏萩)。
きょうもありがとうございます。

25日(金)

正座して足のしびれも蒸し暑く

せいざして あしのしびれも むしあつく
季語=蒸し暑い
※湿り気が多く暑い日のこと。こんな日は風もない。
きょうもありがとうございます。

24日(木)

枇杷熟れてまた夕立のような雨

びわうれて また ゆうだちのようなあめ
季語=枇杷
※淡いオレンジ色で卵くらいの大きさの果実。果肉はみずみずしいが意外に薄く、大きな種が2つ、3つ必ず入っている。
きょうもありがとうございます。

23日(水)

白服の遠慮も透けてしまいけり

しろふくの えんりょもすけて しまいけり
季語=白服
※夏用の白い服のこと。涼しげな見た目から夏の季語となっている。
きょうもありがとうございます。

22日(火)

水羊羹ひとの流れのありありと

みずようかん ひとのながれの ありありと
季語=水羊羹
※夏に好まれる羊かんのひとつ。通常の羊かんよりもみずみずしく、冷して食す。
きょうもありがとうございます。

21日(月)

夏至の日の空に小さな窪みあり

げしのひの そらにちいさな くぼみあり
季語=夏至
※1年中で昼の時間が最長となる日。二十四節気のひとつ。梅雨時期のため、めったに終日晴天とはいかない。
きょうもありがとうございます。

20日(日)

ひたひたと空なきままに梅雨夕焼け

ひたひたと そらなきままに つゆゆやけ
季語=梅雨夕焼
※梅雨時の夕焼けのことで、俳句では通例「つゆゆやけ」と読む。
きょうもありがとうございます。

19日(土)

梅雨寒や眉間のしわも自ずから

つゆざむや みけんのしわも おのずから
季語=梅雨寒
※じめじめと蒸し暑い梅雨時にも寒さを感じる日がある。これが長く続くと農作物の収穫に甚大な影響を及ぼすことになる。
きょうもありがとうございます。

18日(金)

ひとしきり流れる闇に山法師

ひとしきり ながれるやみに やまぼうし
季語=山法師の花
※春に咲くハナミズキによく似た白い花で梅雨時に咲く。輝くような白い花で、庭木や街路樹として人気がある。本来は山中に自生する。
きょうもありがとうございます。

17日(木)

ざっくりと紫色にさつき雨

ざっくりと むらさきいろに さつきあめ
季語=五月雨
※梅雨時期の雨のこと。
きょうもありがとうございます。

16日(水)

方言のように優しく夏椿

ほうげんのように やさしく なつつばき
季語=夏椿
※ツバキより小ぶりで、しっとりと柔らかな白い花を付ける。沙羅(しゃら)の花とも呼ばれ、寺院などに多い。
きょうもありがとうございます。

15日(火)

近道のあるやなしやを百合の花

ちかみちの あるやなしやを ゆりのはな
季語=百合の花
※観賞用によく植えられている。江戸時代から品種改良がはじまり、とにかく種類が多い。
きょうもありがとうございます。

14日(月)

仕方なく転がるままに実梅かな

しかたなく ころがるままに みうめかな
季語=実梅
※実梅は黄色く熟した梅の実のこと。梅雨時ともなると次々に落ち始める。まだ青いころの青梅とは区別される。
きょうもありがとうございます。

13日(日)

柿の花空の青さの中にあり

かきのはな そらのあおさの なかにあり
季語=柿の花
※柿の花は黄みを帯びた白い花で、1本の木に雄花と雌花が同時に咲く。よく見るとかわいらしい花だが、青々とした若葉にまぎれてしまい、ほとんど目立たない。落花した小ぶりな雄花を見つけて開花に気づくことが多い。
きょうもありがとうございます。

12日(土)

暑き日や喜怒哀楽に引きずられ

あつきひや きどあいらくに ひきづられ
季語=暑さ
※夏の暑さといっても、初夏、仲夏、晩夏で感じ方は異なる。今年は6月初旬から非常に暑い日が続いている。
きょうもありがとうございます。

11日(金)

夾竹桃目まぐるしさに温き風

きょうちくとう めまぐるしさに ぬるきかぜ
季語=夾竹桃
※紅や白などの桃に似た花と竹のような細い葉が特徴。常緑樹で排気ガスなどの公害に強いことから道路沿いによく植えられている。
きょうもありがとうございます。

10日(木)

茄子の花つまらぬことも迷いなく

なすのはな つまらぬことも まよいなく
季語=茄子の花
※紫色の花で中心が黄色い。さほど目立つ花ではないが、昔は観賞植物だったとも言われている。
きょうもありがとうございます。

9日(水)

左右差のありて昼顔淡きこと

さゆうさのありて ひるがお あわきこと
季語=昼顔
※朝顔によく似てるが、日の出に咲き、日暮れに閉じる1日花。
きょうもありがとうございます。

8日(火)

あるがまま蛍袋に耳を貸す

あるがまま ほたるぶくろに みみをかす
季語=蛍袋
※釣鐘草(つりがねそう)、提燈花(ちょうちんばな)、風鈴草の別名がある。そんな別名に似た大型の花を下向きに咲かせる。雨の似合う花で、雨降り花という異名もあるとか。
きょうもありがとうございます。

7日(月)

綻びの見えてくちなし真白なり

ほころびのみえて くちなし ましろなり
季語=山梔子の花
※香りのよい六弁の花。咲きはじめはまさに純白、しばらくすると黄色くくすんでいく。
きょうもありがとうございます。

6日(日)

気どりなく甲乙丙丁桜の実

きどりなく こうおつへいてい さくらのみ
季語=桜の実
※ソメイヨシノなどのサクラの実をいう。小豆ほどの小さな実で、黒く熟すと小鳥などがついばむ。サクランボとは別もの。
きょうもありがとうございます。

5日(土)

楽し気に余すことなく立葵

たのしげに あますことなく たちあおい
季語=立葵
※2メートルにもなる直立した茎に下から順番に大きな花を付けて行く。花色は紅、白、ピンクなど、柔らかな花びらがいかにも夏らしい。
きょうもありがとうございます。

4日(金)

散り咲いて美央柳や憂さ晴らし

ちりさいて びようやなぎや うさばらし
季語=美央柳
※はみ出すような長い雄しべと、鮮やかな黄色い花色が特徴。この花の仲間が庭や公園など多くの場所に植えられています。
きょうもありがとうございます。

3日(木)

思うところそれぞれありて竹落葉

おもうところ それぞれありて たけおちば
季語=竹落葉
※竹のような常緑の植物は、新しい葉と入れ替わりに古い葉を落す。
きょうもありがとうございます。

2日(水)

そういえば鍵締めたっけ額咲いた

そういえば かぎしめたっけ がくさいた
季語=額の花
※一般的にはガクアジサイといい、アジサイの元となった花といわれている。素朴さが好まれ、観賞用に庭などによく植えられている。
きょうもありがとうございます。

1日(火)

傾きを正し六月ありていに

かたむきをただし ろくがつ ありていに
季語=六月
※6月といえば梅雨の時期。
きょうもありがとうございます。